PR

ニュース コラム

【世界の論点】ウイグル「人権侵害」で制裁応酬

ブリュッセルのEU主要機関が集まる地区で、中国政府の弾圧に抗議する在欧ウイグル人たち (共同)
ブリュッセルのEU主要機関が集まる地区で、中国政府の弾圧に抗議する在欧ウイグル人たち (共同)

 中国の新疆(しんきょう)ウイグル自治区での人権侵害に関与したとして、米国、欧州連合(EU)、英国、カナダは協調して中国当局者らに制裁を発動した。対抗策として中国は矢継ぎ早に報復制裁に踏み切り、欧米諸国との関係が一段と悪化している。仏紙は、人権と経済を使い分けようとしたEU外交は中国の「しっぺ返し」にあったと指摘。中国の官製メディアは、制裁を主導する米国の目的は人権よりも、欧米と中国の対立促進にあると主張した。

■フランス 「倍返し」に身構える欧州

 3月25日付フランス紙ルモンドの論説は、欧州連合(EU)が対中制裁を決めた後、中国から報復制裁という「乱暴なしっぺ返し」を食らい、追い詰められたと評した。

 EUの制裁は、中国当局者4人と1団体が対象だった。中国は「内政干渉」と反発し、EU側の10人4団体に制裁を科した。「倍返し」で、対立をエスカレートさせた。

 ルモンドは、ロシアの人権侵害でEUが使ってきた手法は、中国には通用しないと嘆いた。「EUはロシアとの『目には目を 歯には歯を』式の外交に慣れていた。制裁で3人の外交官を追放したら、相手も3人追放し、やり過ごす流儀だ。EUは、中国はロシアとは違うのだと気付いた」と指摘した。

 EUは中国に対し、人権問題では厳しく、経済や環境政策では協力を求める「使い分け外交」を目指した。だが、中国が報復制裁に出たことで、苦しくなった。EUが昨年末、中国と合意した投資協定は批准が困難になった。ルモンドは、南欧の債務国が中国の支援に依存している以上、EUの結束は難しいと分析し、「中国のしっぺ返しは、欧州への教訓になった」と論じた。

 3月24日付仏紙リベラシオンも、EUに対する中国の報復制裁に焦点を当てた。

 リベラシオンによれば、中国が懸念したのは、EU制裁そのものではない。EUと連動して米英、カナダがウイグル族迫害に対する対中制裁を発表したことが、「米欧が習近平政権に対して懸念を深め、協調」する包囲網と映った。EUによる対中制裁は1989年の天安門事件後の武器禁輸以来、初めてで、EUの政策転換にも警戒した。

続きを読む

関連トピックス

あなたへのおすすめ

PR

PR

PR

PR

ランキング

ブランドコンテンツ