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【一筆多論】今こそ日本外交の出番だ 大谷次郎

治安部隊と衝突し身を守るデモ参加者=2月28日、ミャンマー・ヤンゴン(ロイター)
治安部隊と衝突し身を守るデモ参加者=2月28日、ミャンマー・ヤンゴン(ロイター)

 ミャンマーで国軍によるクーデターが発生して2カ月がたとうとしている。民主主義を守ろうと抗議デモを続ける国民に銃が向けられ、依然として流血に歯止めがかからない。

 今まさに、「自由で開かれたインド太平洋」の実現を目指す日本政府の外交手腕が問われている。

 「ミャンマー国軍が話し合いたいという状況にもっていけるかどうかだ」

 そう語るのは自民党の日本・ミャンマー友好議員連盟の会長を務める逢沢一郎元外務副大臣。これまでミャンマーの国会議員らと交流を重ね、民主化を支えてきた。しかし、簡単なことではない。クーデター後は国民民主連盟(NLD)の議員仲間らと連絡がとれなくなっている。

 ミャンマーはインドシナ半島西部に位置する。日米が主導する「自由で開かれたインド太平洋」を具体化するには地理的にも重要な国だ。この地域で覇権の動きを強める中国ににらみを利かせる意味でもミャンマーに民主主義を根付かせねばならない。

 12日にはインド太平洋地域の中核となる日米豪印4カ国の首脳が初めてテレビ会議形式で会談した。この中で菅義偉首相はミャンマー情勢の悪化に重大な懸念を表明した。4カ国首脳は早期に民主主義を回復させる必要性を確認している。

 ただ、国際社会の動きは鈍い。デモ隊への武力行使に懸念や非難を表明するが、国軍に具体的な圧力をかける動きは乏しい。制裁を強め、孤立させれば国軍は中国に接近する可能性が指摘される。

 中国はミャンマーの軍事政権時代に密接な関係を築き、NLD政権が発足してからも巨大経済圏構想「一帯一路」を通じて影響力を高めてきた。だが、中国は米国の動きを牽(けん)制(せい)しつつ、静観を続けている。

 ミャンマーは少数民族ロヒンギャ難民問題で国際社会の厳しい批判を受けており、中国も香港や新疆ウイグル自治区などの人権、人道上の問題を抱える。「中国はミャンマーをかばうことで国際的な評価が傷つくことを気にしている」(逢沢氏)ことが背景にある。

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