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【主張】米中アラスカ会談 「世界の懸念」突き付けた

 中国の身勝手な振る舞いに対し、単独でなく同盟国と緊密に連携し厳しい態度で臨む。バイデン米政権の対中政策の進め方が明確に示された。

 米アラスカ州アンカレジで2日間にわたり開催されたブリンケン米国務長官と楊潔●(よう・けつち)・中国共産党政治局員らによるバイデン政権初の米中外交トップの直接会談のことである。

 米側は新疆(しんきょう)ウイグル自治区での人権侵害や香港の民主派弾圧、台湾情勢、サイバー攻撃などの問題を提起したが、懸念解消には至らなかったとの認識を示した。

 中国側は、新疆ウイグル自治区での米側の「ジェノサイド(民族大量虐殺)」認定を「今世紀最大の嘘」と反発した。

 台湾問題は「核心的利益にかかわり、妥協と譲歩の余地はない」と突っぱね、香港の選挙制度変更は「中国の一地方」のこととして尊重するよう求めた。

 議論はかみ合わず、双方が冒頭で1時間以上、非難の応酬を展開したのは、当然の成り行きだったろう。評価すべきは、米側がこの会談に向け、同盟国との対中連携を積み上げ、「世界の懸念」として中国に改善を迫ったことだ。

 ブリンケン氏は会談に先駆け、オースティン国防長官とともに日韓を訪問し、両国で外務・防衛担当閣僚による安全保障協議委員会(2プラス2)を開催した。

 日米は16日の2プラス2、さらにはオーストラリア、インドを交えた12日のオンライン首脳会合で、中国の脅威に懸念を共有し、抑止へ決意を示した。

 ブリンケン氏が日韓訪問を踏まえ、「国務長官になり100人近い外相と話したが、あなたがたの説明とは違うことを聞かされた」と語ったことに注目したい。

 アラスカを開催地に選び、米側が訪中せず、中国側をワシントンに招かない突き放した対応は、安易に中国との対話に転じないとのメッセージとなったはずだ。

 ただし、中国がこれで、態度を改めようとするはずもない。肝心なのは、今回の会談の内容を同盟国と共有し、次の一手へさらなる連携を重ねることだ。

 菅義偉首相の来月の訪米は、バイデン大統領にとって初の対面の首脳会談となる。米政権が進める対中政策のパートナーとして、日本にも覚悟と行動が必要だ。特に人権問題で、日本はより明確な批判を中国に突き付けるべきだ。

●=簾の广を厂に、兼を虎に

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