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【記者発】ワクチン接種で「日常」よ再び 大阪総局次長・安田奈緒美

米製薬大手ファイザー製の新型コロナワクチン(ゲッティ=共同)
米製薬大手ファイザー製の新型コロナワクチン(ゲッティ=共同)

 高齢者の76・5%が、無料提供されればワクチン接種すると回答した-。

 4月から新型コロナウイルスワクチンの高齢者への接種が始まるのを前に、大阪大大学院の大竹文雄・経済学研究科教授らが行った調査で、高齢回答者(65~74歳)が接種に対して積極的な意向を持っていることが分かった。

 若い回答者(25~34歳)の65・1%よりも高い。政府の新型コロナウイルス感染症対策分科会メンバーでもある大竹教授の研究室を訪ねると、教授も「想定以上の高さでした」と驚きを口にした。私自身、高齢者はもっと消極的かと思っていた。

 新型コロナの感染が拡大してから1年以上。繰り返されてきた飲食店の時短営業や外出自粛要請による感染抑制策は経済へ甚大な影響を与えた。経済活動は停滞し、多くの人から職を奪い、生活を困窮させた。

 「経済の問題も深刻だし、ほら、感染抑制のために学生が1年間、先生や友人と直接のやり取りがあまりなくて、リモート授業が多くなってしまって。かけがえのない時間が…かわいそうですよね」

 数字や政策の話を論理的に語っていた大竹教授が、静まり返った研究室前の廊下を見やりながらつぶやく。

 経済活動や平穏な日常を取り戻す切り札がワクチンだ。世界には遅れたものの、日本でも接種が始まり、高齢者や一般の人への接種も近い。

 冒頭で紹介した調査のように、接種に積極的な人が多いことは朗報だ。大竹教授も「この意向を無駄にしないような、スムーズな接種体制が必要ですね」と強調する。

 感染拡大防止を徹底するには、より多くの人がワクチンを接種する必要がある。そのためには接種への抵抗がある人の不安を取り除かなければならない。例えば、海外ワクチンや新技術に不安を抱く人にとっては、国産ワクチンの実現で選択肢を増やすことが接種意向を高めるきっかけになるかもしれない。

 大竹教授の研究室を後にしてキャンパスを歩きながらそんなことを考えた。合格発表の翌日だというのに、入学者を待つ、校門前に軒を連ねる不動産店のスタッフは手持ち無沙汰そうだった。来年の今頃、キャンパスににぎわいは戻っているだろうか。

【プロフィル】安田奈緒美

 平成11年入社。大阪文化部でクラシック音楽、大阪経済部で製薬、機械、財界などを担当。現在、大阪総局で関西広域面を担当している。

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