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【風を読む】生徒指導の気になる問題 論説副委員長・沢辺隆雄

 髪が薄くなった大先輩が「俺も昔はロン毛(長髪)だった」としみじみ言うのでびっくりした。いつのことだろう。首相のご子息も頭を丸めて出てくれば、印象は違っただろうか。

 担当の教育分野では、やはり身なりは大切だ。最近、生徒指導をめぐって気になる問題があった。一つは頭髪指導だ。

 生まれつき茶色の髪を黒く染めるよう学校に強要され不登校になったとして、大阪府立の高校の元女子生徒が、府に約220万円の損害賠償を求めた訴訟で、大阪地裁は33万円の支払いを命じた。この裁判記事を読むと、判決理由は、不登校になった元生徒が高校3年進級後、学校側が名前を名簿から外し教室に席を設けなかった措置に対し、「著しく相当性を欠く」とした。

 一方で黒く染めるよう求めた対応に違法性はないとした。複数の教員が頭髪の根元が黒と確認したとし、地毛以外の色への染色を禁じた校則に「正当な教育目的がある」と判断した。原告側弁護士は「教員らの証言内容がそのまま事実認定された納得のいかない判決」とし、双方の主張は食い違う。

 他の地域でも頭髪指導は厳しいようだ。地毛が茶色の生徒にあらかじめ申告を求める「地毛登録」制度がある学校もあるというから、学校側と生徒のトラブルは少なくないのだろう。

 学校生活にふさわしい身なりなど、規律を守ることは欠かせない。学校側の生徒指導の苦労は分かる。だが、生徒の言い分を十分聞かず、マニュアル対応で、信頼を損なっては本末転倒になる。

 生徒指導では、小学校などで、あだ名を禁じ、「さん」付けで呼ぶよう指導する学校が増えているという。だが問題を隠し、陰湿化しないか。いじめを行う児童生徒らへの指導をきちんと行っているか、まず省みてほしい。

 あだ名の是非は、昔から小学校などの道徳の教材にも登場する。相手の気持ちになって考える。友情や思いやりについて考えさせる。

 最近は、ネット上で名前や簡単な希望を入力すると、「ゆうこりん」などニックネームをつくってくれるサイトもあるという。「禁止」すれば安心か。ことなかれ主義の先生は陰で、あだ名をつけられているかもしれない。

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