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【風を読む】「わきまえた男」になりたい! 論説委員長・乾正人

 いろいろとお騒がせの山田真貴子内閣広報官が辞職した。

 今でこそ、私大卒や女性のキャリア官僚は珍しくもなんともないが、山田氏が旧郵政省に入省した昭和59(1984)年当時の霞が関は、東大法学部卒でなければ人にあらず、だった。ましてや男女雇用機会均等法の施行前で、早稲田大学法学部卒の女性キャリア官僚は好奇の目で見られた。

 男性優位社会の縮図のような霞が関で、女性初の内閣広報官(事務次官級)まで上り詰めるまでの苦労は、並大抵ではなかったと思う。

 有名人であれ誰であれ、超辛口の人物評をするわが社の先輩記者ですら、就任時に「山田さんには首相官邸に新風を吹き込んでもらいたい」とエールを送っていただけに、残念だ。

 それにつけても「現役首相の息子」からの宴席の誘いを断ることができるお役人はどれくらいいるだろうか。

 もし自分がその立場だったら(そもそも試験に通らないが)拒絶する自信はない。ましてや山田氏は「飲み会を断らない」ことを武器にしてきた。

 彼女は以前、こう語っている。

 「イベントやプロジェクトに誘われたら、絶対に断らない。飲み会も断らない。断る人は二度と誘われません。幸運にめぐり合う機会も減っていきます」

 正直に書くと、バブル世代のわれわれ(というより自分自身)は、無意識にそう感じ、お誘いがあればいそいそと飲み会に出かけている(コロナ禍の今はそうもいかないが)。若い同僚が、飲み会を断るのを忌々(いまいま)しく思っていた。「幸運にめぐり合う機会を失ったな」、と舌打ちしつつ。

 しかし、「首相の息子」であれ、誰であれ、誘われても断るべきときはきっぱり、断らなければならない。出入りの業者から高額接待を受けたら世間はどう見るか。時代劇に出てくる「お代官様」と何ら変わらない。総務省のお役人たちは「役人道」をわきまえていなかったのだ。

 森喜朗氏は「わきまえた」発言で、東京五輪組織委員会から石もて追われたが、何事もわきまえることは大事だ。日ごろ、要らぬことばかり書いて顰蹙(ひんしゅく)を買っている小生も早く「記者道」をわきまえた男になりたい。

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