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【主張】山林火災の火種 結果の重大性を認識せよ

 山林火災の恐ろしさを改めて思い知る。

 陸上自衛隊や地元消防がヘリコプターによる散水や麓での放水などで懸命の消火活動を行っているが、鎮火の見込みは立っていない。頼みの雨もしばらくは期待できないのだという。

 一度広がった火を鎮めることは、これほどに難しい。結果の重大性を認識し、火を出さない注意を徹底するしか再発防止の良案はない。

 栃木県足利市の両崖(りょうがい)山一帯で起きた山林火災は広範囲に拡大して住宅に迫り、避難勧告対象は300世帯を超えた。焼失面積も100ヘクタールを超えている。

 被害を広げたのは、乾燥と強風だった。足利市では16日から11日連続で乾燥注意報が出され、23日には強風注意報が発令された。

 加えて森林内には落ち葉が積もり燃えやすい状態となっていた。林野庁森林保護対策室によると、山火事の約7割が1月から5月に集中している。

 これらは自然現象だが、林野庁などによれば、山火事の出火原因はたき火、火入れ、たばこ、花火など火遊びの失火といった人の不注意によるものが大半だ。放火も含めればほとんどが人為的な出火原因といってよく、特に国内では落雷など自然現象による出火は極めてまれといっていい。

 足利市の山林火災では、両崖山のハイキングコースにある休憩所のベンチが黒焦げとなり、火が周囲に燃え広がっているのを消防隊員が確認している。ハイカーの火の不始末など、人為的な原因で出火した可能性が高い。

 25日には群馬県桐生市でも山火事が発生したが、こちらは火元近くに住む男性がドラム缶の中で火をたいて枯れ草を燃やしていたところ、下草に火が燃え移り、広がったのだという。

 結果によっては、ついうっかりでは済まない。森林失火罪を定めた森林法203条には「火を失して他人の森林を焼燬(しょうき)した者は、50万円以下の罰金に処する。火を失して自己の森林を焼燬し、これによって公共の危険を生じさせた者も50万円以下の罰金に処する」とある。火災で生じた森林や建造物の焼失、被害に対して損害賠償を求められるケースもある。

 日本の国土は約7割が森林である。森林を守ることは国土を守ることにつながる。火の用心を、各自が胸に銘記したい。

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