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【主張】G7と菅首相 中国に「モノ言う」実践を

 菅義偉首相が先進7カ国(G7)首脳によるテレビ電話会議で、東・南シナ海における中国の一方的な現状変更の試みに懸念を表明した。

 中国海警局の船による尖閣諸島(沖縄県石垣市)周辺の領海侵入などを念頭に置いたものだ。海警局に外国船舶への武器使用を認めた中国の海警法は国際法違反である。

 菅首相は、中国に対し「主張すべきは主張し、中国側の具体的な行動を求めていく」と語った。

 これはG7首脳との約束だ。首相はこの言葉を実践し、不公正な貿易慣行や台湾威嚇、少数民族や民主派への弾圧など、すべての問題で中国の態度を改めさせるよう迫らなくてはならない。

 バイデン米新政権は中国を「最も手ごわい競争相手」と位置付けて厳しい態度で臨むが、一方で米中協力も示唆している。米国を頼みとするだけでは危うい。日本は隣国として中国と主体的に向き合う必要がある。その脅威について欧米の理解を促し、議論を主導していくことが重要である。

 G7首脳声明では米国の政権交代を踏まえて、2021年を「多国間主義のための転換点」と明記した。覇権を追求する中国にどう対峙(たいじ)するかは、その試金石であることを忘れてはならない。

 声明に盛り込まれた中国に関わる文言には「非市場志向の政策や慣行に対処する共同の方策を協議する」というものがある。6月に英国で開かれる対面会議(サミット)では経済にとどまらず、他の問題でも議論を尽くし、厳しく指弾する文書を出すべきだ。

 日本は併せて米国、オーストラリア、インドとの「クアッド」と呼ばれる4カ国の枠組みなどでも、中国の覇権追求から国際秩序を守るための行動を強めたい。

 G7前日には4カ国外相のオンライン会合があり、「自由で開かれたインド太平洋」の推進へ連携を強化することで一致した。海警法についても同会合や、これに先立つ日英外務・防衛閣僚協議(2プラス2)で取り上げ、懸念を共有したのは有益だった。こうした重層的なアプローチを続けることが効果的な対中圧力となる。

 声明にコロナ禍収束への国際協力とともに、東京五輪・パラリンピック開催に向けた日本の決意への支持が入ったのは、今回の首脳会議の成果だ。コロナ禍を抑え開催へとつなげる励みとしたい。

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