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【主張】橋本新会長 五輪の開催へ強い姿勢を

 東京五輪・パラリンピック組織委員会の新会長に、前五輪相の橋本聖子氏が就任した。

 前会長の森喜朗氏は女性蔑視ととれる発言で引責辞任したが、東京大会のイメージは大きく損なわれたままだ。

 新型コロナウイルス禍に社会があえぐ中、今夏の開催には多くの国民が懐疑的な見方をしている。東京大会は危機にあるといっていい。

 橋本氏は就任直後に「全力で東京大会の成功に邁進(まいしん)する」と述べた。この問題で2週間近く停滞した開催準備を、早く元の軌道に戻さなければならない。今夏の「安全・安心」な大会の実現を、世界に発信し続けてもらいたい。

 閣僚である橋本氏の就任は、人選が官邸主導で進んだことを物語る。不透明さを残した点で、歓迎できる刷新人事とは言い難い。

 裏を返せば、橋本氏を大会の顔に据えたことで、菅義偉政権が今夏の開催に全責任を負ったともいえる。新型コロナウイルス禍を一日も早く沈静化させ、水際対策や最新の技術、ワクチン接種などを総動員し、大会の「安全・安心」を確保することは、最優先の課題である。

 橋本氏には、自転車とスピードスケートで夏冬計7度の五輪出場経験がある。これまでの開催準備で、スポーツ界の影は薄かった。東京都や国、国際オリンピック委員会(IOC)との調整を進める中で、いまこそ官邸の代弁者ではなく、スポーツ界の代表としての存在感を示してもらいたい。

 残された時間は少ない。来月25日には聖火リレーが始まる。沿道の観衆の扱いなど感染予防策をどう講じるか、決断は急を要する。観客を入れて大会を開催するかどうかも判断を迫られる。今後は真のリーダーシップが問われる。

 それ以上に、消沈した五輪への開催機運を盛り上げるために、国民に前を向かせてほしい。

 いまの日本に必要なのは、「現実的な選択を」といった中止ありきの消極的な議論ではない。10年単位の歳月をかけて招致と開催準備に取り組んできた五輪に向けて、社会と経済を前に動かすための前向きな議論である。

 国民が五輪に寄せてきた期待感は薄れ、開催の意義は揺らいでいる。トップ交代は、恐らく風向きを変える最後の機会だ。オリンピアンの橋本氏だからこそ打ち出せるメッセージがあるはずだ。

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