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【直球&曲球】中江有里 地震、感染症…経験に学ぶ対処法

地震に見舞われたいわき市の図書館では、散乱した本の片付けに追われていた=2月14日午前、福島県いわき市(松本健吾撮影)
地震に見舞われたいわき市の図書館では、散乱した本の片付けに追われていた=2月14日午前、福島県いわき市(松本健吾撮影)

 先週土曜日、福島県と宮城県で最大震度6強の地震が起きて、わが家の本棚の本は崩れて、ガスが止まった。長く続く揺れは東日本大震災の恐怖をまざまざと思い起こさせた。

 故郷の大阪では阪神淡路大震災以前、地震を経験したことがなかった。それどころか何の根拠もなく「関西では地震は起きない」と信じていた。

 平成元年に上京してすぐ震度5強の地震を体験した。避難どころか窓や玄関扉を開ける発想もなく、その場から動けなくなるほどの衝撃を受けた。

 東京では度々地震が起きるので、避難用の持ち出し袋も作り、常に食料を備蓄するためのローリングストックを実践し、水も常備している。

 今回も地震が起きてすぐ、テレビとネットの情報を集めた。原発や津波のことが真っ先に頭に浮かんだからだ。

 今後余震があるかもしれないので、散らばった本はそのままにしておいた。重い本が空を飛んでくると凶器になりかねないし、片付けて体力を消耗するよりも今は心を落ち着けて、体を休ませる方がいい。

 今の家に引っ越してきた時にガスメーターの場所は確認していたので、止まったガスはすぐに復旧できた。余震の恐怖の中、冷静に行動できたのは、10年前の東日本大震災のことを思い出したからだ。

 あの日は携帯電話がつながらなかったので、公衆電話を探した記憶がある。電話がない場所ではツイッターを使って、家族と連絡を取り合った。

 今回は家族と東北に住む友人にラインで連絡し、無事の知らせを聞いた。夜半なのでみな家にいたのも幸いした。

 最近は新型コロナウイルス感染防止を意識するあまり、地震のことが頭から抜けていた。まもなく東日本大震災から10年だというのに。

 コロナウイルスの感染拡大から1年がたち、マスク生活は当たり前になった。ワクチン承認、接種へと確実にコロナ対策は進んでいる。

 地震や感染症は避けられないが、人は経験から対処法を学んでいる。経験がないことは歴史から学ばなければと思う。

【プロフィル】中江有里

 なかえ・ゆり 女優・脚本家・作家。昭和48年、大阪府出身。平成元年、芸能界デビュー。多くのテレビドラマ、映画に出演。14年、「納豆ウドン」で「BKラジオドラマ脚本懸賞」最高賞を受賞し、脚本家デビュー。フジテレビ「とくダネ!」に出演中。文化審議会委員。

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