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【パリの窓】コロナ時代の愛

バレンタインの準備を行うパリの生花店(ロイター)
バレンタインの準備を行うパリの生花店(ロイター)

 フランスでバレンタインデーは、男性が女性に花を贈る日。14日の日曜日、隣の花屋は大にぎわいだった。

 新型コロナウイルスで、レストランも映画館もデパートも閉鎖中。デートの行き先がない。必然的に愛情表現は、「花束に一球入魂」ということになる。店も気合を入れて、深紅のバラをズラリ並べた。包装紙には金箔(きんぱく)をまぶし、ハート形の風船までついている。

 こんな小恥ずかしい花束を、ヒゲ面の男たちがいそいそと買っていく。太鼓腹でもはげ頭でも、臆するところがない。さすがはアムールの国である。

 バラの花束は、枯れた後が大変。固いトゲが、ゴミ袋を割くので難儀する。女性には「ユリやランの方がいい」と思う人もいるだろうけれど、男の愛は、やはり燃えるように赤いバラでなければならないらしい。

 何年か前、「日本では女性がチョコを贈るんだよ」とフランスの友人に言うと、「相手は喜ぶの?」と不思議そうな顔をされた。彼女に言わせると、チョコは「しゅうとめの家に行くときに持っていくもの」。つまり、無難な贈り物だという。日本なら、ようかんかせんべいのような感じか。

 だが、今年はパリの菓子屋にも、ハート形のチョコがあふれていた。「とろける愛でコロナ不況をぶっとばして」という切実な思いが伝わった。(三井美奈)

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