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ニュース コラム

【朝晴れエッセー】百恵さんに思う・2月14日

 山口百恵引退コンサートを先日、NHKで見た。会場には「友和さんと末長くお幸せに」の横断幕。人気絶頂で地位も名声も捨てて愛する人と結婚。デビュー当時地味な存在で、アイドルなのにミニスカートをはかなかったのが印象に残る。

 40年たっても伝説として語り継がれるのは、生き方が女性の憧れだったから。

 男女雇用機会均等法が成立する前、仕事をやめ専業主婦になるのが一番の「上がり」と思われていた。おとなしく家に収まれない私は良妻賢母とは程遠かった。それを見抜く目がなかった夫はともかく、わが子には申し訳なく思う。

 百恵さんが「絶体絶命」を歌っている。

 会社の忘年会で、豹柄スカートを着て女装した上司と踊ったのを思い出す。舞台は日本武道館ではなく、旅館の宴会場だったけど。父が不思議がるほど毎日出社するのが楽しかったOL時代が懐かしい。

 去年からは英語助手に。コロナ禍なのに「なんで挨拶のときいつもI,m great.って言うの」と子供に聞かれる。「みんなに会えるからご機嫌よ」と返す。女子児童には「将来首相になってね」と無茶ぶりを。世界で男女格差指数過去最低を更新したと知りつつささやく。

 女性の生き方はさまざま。「彼が大好き。とても幸せ」と笑顔の芸能人が後に涙する例も珍しくない。一般庶民の、人には言わない経験やささやかな幸せも含んで続ける結婚生活だって捨てたもんじゃない。

 胡蝶蘭とカスミ草に彩られた百恵さんは白いマイクを置いて去った。私はまだ白いチョークを握っていたい。

杉原弘子 64 英語指導助手 東京都杉並区

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