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【スポーツ茶論】氷都八戸の悲願 橋本謙太郎

 東京五輪の陰に隠れているが、北京冬季五輪も開幕まで1年を切った。2018年平昌五輪に続くメダル量産を期待される種目がスピードスケートだが、この間、競技環境に大きな進展があった。令和元年9月、青森県八戸市に屋内リンク「YSアリーナ八戸」がオープンしたのだ。

 国際大会が開催できる400メートル屋内リンクは長野市エムウエーブ、北海道帯広市の明治北海道十勝オーバルに続き、国内3カ所目。総事業費約126億円の施設は7月下旬から3月中旬までは氷を張ってリンクとして使用。災害時には一時滞在施設などとして使用することも想定され、オフシーズンは約9千人収容のアリーナとして利用できる。

 八戸市によると、年間維持費約3億円のうち、施設使用料などで賄えるのは約1億円。国内の多くの施設同様に赤字だが、それを吹き飛ばす経済効果への期待もある。昨年度は国体冬季大会で約1万7千人、全日本距離別選手権で約1万人が訪れ、それぞれ約5億円、約4億円の経済効果があったという。

 さらには、コロナ禍にもかかわらず昨年夏には高校から実業団まで約20団体が合宿でこのリンクを利用し、延べ約2300人が市内に宿泊した。関係者は「宿舎からリンクまで歩いていけるのがセールスポイント。(利用者は)これからもっと増えると思う」と期待を寄せる。

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 地域振興にも大きく寄与する可能性を秘めるリンクだが、その建設を実現させたのは、地元の人たちに脈々と受け継がれてきた「氷都八戸」の誇りだ。同じ青森でもスキーが盛んな津軽地方とは違い、太平洋側に位置する八戸は降雪量が少なくスキーよりスケートが盛んな土地柄として知られてきた。青森県スケート連盟の田名部和彦会長は「昔は道路も川も沼も凍り、みんながスケートをやっていた」。昭和22年の第1回国体冬季大会スケート競技会の開催地となり、八戸市内の大半の小学校の授業でスケートが採用されているほど身近なスポーツとして定着してきた。

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