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ニュース コラム

【朝晴れエッセー】お弁当・2月9日

 先月末は、高校3年生の息子の最後のお弁当作りの日だった。

 この日に向けて事前に入れてほしいものを聞いておいた。手作りハンバーグ、海苔(のり)を巻いた渦巻きの卵焼き、そして白いご飯にはゆかりのふりかけ。

 幼稚園から始まったお弁当作り。最初は新幹線のキャラクターが付いた手のひらサイズのアルマイトのお弁当箱。小学校は給食だったけれど、塾通いが始まり夜に持っていくために作った塾弁。中学、高校と学年が上がるに連れて食べる量も増え、二段になっていくお弁当箱。

 煮豆は入れないでとか、野菜は嫌いとか、入れるおかずにも度々頭を悩まし。でも空っぽのお弁当箱を洗うときはうれしく、時には食べきれなかったとすまなそうに出されたお弁当箱を洗うときは、体調が悪いのか、学校で何かあったのかと心配をし。

 そのお弁当作りも終わった。夕方、「今までお弁当ありがとうございました」と少し照れた表情で息子がお弁当箱を差し出す。体も精神面も大人になった息子。いつの日か母のお弁当のことを思い出してくれる日がくるのだろうか。

 いつもより丁寧に、お役目を果たしてくれたお弁当箱を洗った。親として子供のお弁当を作る幸せを味わわせてくれた感謝を込めて。

 菱川二三子 62 京都市下京区

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