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【朝晴れエッセー】料理事始め・2月6日

 最近料理を始めた。揚げ物は火災の危険と油の始末が悪いので作らない。

 兄から野菜用にと贈られたレンジ調理用鍋が重宝している。ネットにはたくさんレシピがあり便利だ。安全、簡単、早い、安いので野菜だけでなく多用している。

 兄に、ブリの煮付けも6分でできると話したら驚いていた。子供もまずいと言わないので合格点なのだろう。よく作るのは好物の茶碗蒸しで3分半。

 始めたのはコロナ在宅が動機ではない。家内を亡くしたからである。家内は料理がうまく家族を大切にし今更ながら感謝しか言葉がない。

 私は言い訳になるが、学生時も単身赴任時も食事を作る機会を持たずに過ごしてしまった。結婚後も家内が作る人、私は食べる人であった。家内が出かけても私の食事を気にして子供を友人に預けて帰ってくるようなありさまであった。

 家内は「私が先に死んだらどうするの?」とよく言っていたが、本当にそうなってしまった。家内が入院中にうわごとで「料理ができたから熱いうちに食べて」と言うのはつらかった。

 ということで家内の本格茶碗蒸しには及ばないが、安心してもらおうとレンチン茶碗蒸しを仏前に供えたときには涙があふれた。

 まあ、家内はなぜ元気なうちに料理をやってくれなかったのか、まだまだ修業が足りないとか言っているに決まっているが、会うときまでにもう少し腕を上げておくことにしよう。実は兄も配偶者に先立たれている。

辻憲三 73 川崎市高津区

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