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【主張】露のデモ弾圧 体制の軋みに耳を澄ませ

 ロシアのプーチン政権が、いかに非人道的かつ異様であるかを示して余りある。

 ロシアで1月31日、反体制派指導者ナワリヌイ氏の釈放を求める抗議デモが行われ、全国で5600人以上が治安機関に拘束された。23日に4千人以上が拘束されたのに続く弾圧である。

 プーチン政権は、ナワリヌイ氏ならびに拘束された人々を即時釈放せねばならない。

 首都モスクワでは31日、政権側が中心部を事実上封鎖する異例の措置をとってデモ阻止を図った。デモ隊は別の場所に散らばって平和的に行進したが、そこに治安部隊が襲いかかった。

 治安部隊は無抵抗のデモ参加者に警棒で殴りかかり、スタンガンも使用した。近くに居合わせただけの市民や、報道にあたっていた多数のジャーナリストも無差別に拘束された。

 23日のデモ弾圧が国際社会から非難されたにもかかわらず、政権が再び人権を蹂躙(じゅうりん)する行動に出たのは言語道断である。

 ナワリヌイ氏は昨年8月に猛毒の神経剤で殺害されかかり、ドイツでの治療から帰国した1月17日に身柄を拘束された。毒殺未遂では、政権の関与が強く疑われている。露骨な政敵排除に抗議の声が上がるのは当然だ。

 プーチン政権は、強大な治安機関や情報・特務機関を掌握しており、すぐに政権が倒壊するようなことはあるまい。しかし、弾圧や暴力は国民の反発をさらに強める結果しか招かない。

 ナワリヌイ陣営がプーチン大統領の「秘密宮殿」を告発したインターネットの動画は、19日の公開から10日間で1億回以上も視聴された。一連のデモでは初めて街頭の抗議行動に出たという参加者が多く、反政権の声を上げる人々の層は厚みを増している。

 20年以上に及ぶプーチン体制が硬直化を極め、将来の展望がないことへの不満は強まりこそすれ、弱まることはない。

 プーチン氏は、耐用年数の過ぎた体制が発する軋(きし)みに耳を澄ませるべきであろう。

 日本や欧米諸国は引き続き、プーチン政権に弾圧をやめさせるべく事態を注視し、圧力を強める必要がある。北方領土問題を解決する上でも、ロシアが民主主義の価値観を共有するようになることが欠かせない。

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