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【主張】核兵器禁止条約 「署名せず」が日本を守る

 核兵器の開発や実験、保有、使用を全面的に禁ずる核兵器禁止条約が、批准した50カ国・地域で発効した。

 日本はこの核禁条約に加わっていない。

 菅義偉首相は22日の国会で、「現実的に核軍縮を進める道筋の追求が適切であるとのわが国の立場に照らし、条約に署名する考えはない」と表明した。

 締約国による国際会議への日本のオブザーバー参加についても「慎重に見極める必要がある」と述べて距離を置いた。

 唯一の戦争被爆国として日本が核兵器廃絶や核軍縮を追求するのは当然である。

 だが、核禁条約では核廃絶や軍縮、平和の実現につながらない。日本が加われば、むしろ北朝鮮や中国、ロシアの核の脅威に一層さらされることになる。

 政府には、再び核の惨禍に見舞われないよう日本を守り抜く責務がある。菅首相が不署名の方針をとっていることは、国民を守る責務を果たすもので妥当だ。

 核禁条約には、核兵器の放棄や不保持の検証についての実効性ある規定はない。

 核保有国は一国も加わっていない。日本や北大西洋条約機構(NATO)加盟国、韓国など、米国の核抑止力(核の傘)を利用して自国の安全を保とうとしている国も署名していない。

 今の科学技術の水準では、外国からの核攻撃を防ぐ確実な方法は見つかっていない。核兵器による反撃力を自国または同盟国が持つことにより、核攻撃やその脅しを抑止することが必要だ。

 戦後の日本は冷戦期から今にいたるまで、核の脅威にさらされてきた。歴代政権は、国防に核抑止力が不可欠との立場をとってきた。それを自国では用意せず、日米安全保障条約に基づく米国の核戦力に依存してきた。

 核抑止の備えを一方的に解けば、放棄しない国の前で丸裸になる。もし全核保有国が放棄しても、その後に核武装する国やテロ組織が現れる恐れがある。

 核禁条約に加わることは結果的に、日本国民を核の脅威から守る核抑止力の効果を減じさせることになってしまう。

 日本は広島、長崎の悲劇を世界に伝え、核禁条約とは別の形で核軍縮を促す外交を進めるべきだ。北朝鮮の核・ミサイル戦力の放棄も強く迫らねばならない。

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