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ニュース コラム

【パリの窓】バーチャル会見「ここはパリだった」

 新型コロナウイルス流行で、フランス大統領府のオフレコ会見は、もっぱら電話形式になった。

 スマートフォンのアプリを通じて、直前に番号が送られてくる。電話をかけて指定のコードを入力すると、会見場につながる仕組み。質問するときはアプリのメッセージで挙手する。

 なにせ電話なので、テレワーク中の記者の子供の泣き声やら、パトカーのサイレンやら雑音が入る。「ミュート(消音)にしろよ!」「これじゃ、聞こえない」と、みんながイライラを書き込む。外出中にアクセスしたとき、うっかり駅のアナウンスが入ってしまい、「誰か地下鉄に乗っていますね!」と報道官に怒られてしまった。

 だれかにインタビューを申し込むにも、このご時世では、ちょっと複雑。テレワーク中の自宅に押し掛けるのも悪いし、カフェやホテルは閉まっている。自然と、パソコン上のテレビ会談が増える。便利ではあるが、空気を共有できない会談は隔靴掻痒(かっかそうよう)。人の素顔は、質問後の雑談や別れ際のしぐさに出るものだから。

 パソコン上の会談では、ドイツ人もフランス人も東京の同僚も距離は同じ。だんだん、自分がどこに住んでいるのか分からなくなってくる。たまにセーヌ川岸を歩き、「ここはパリだった」と思い出さねばならない。(三井美奈)

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