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【マーライオンの目】多難、インド接種計画

15日、ワクチン接種を呼び掛けるインド・モディ首相のイラスト前を通り過ぎる女性=ムンバイ(ロイター)
15日、ワクチン接種を呼び掛けるインド・モディ首相のイラスト前を通り過ぎる女性=ムンバイ(ロイター)

 「接種を迷っている」。インドで16日から新型コロナウイルスのワクチン接種が始まったが、インドの友人からこんなメッセージが届いた。モディ首相は「世界最大のワクチン接種計画だ」と力を込めているものの、熱意とは裏腹に国民からは接種をためらう声が上がっている形だ。

 最大の理由は、政府が承認した地元製薬会社開発のワクチン「コバクシン」だ。昨年12月下旬に最終段階の臨床試験(治験)を開始したばかりで、政府や企業側は有効性を公表していない。政府は安全性を繰り返し強調するが、医師から承認に疑問を呈する声が上がっている。モディ政権が「インド企業が開発したワクチン」の導入を急いだ-と、ささやかれている。

 政府は英アストラゼネカが開発したワクチンも承認したが、国内生産はインド企業が請け負っている。モディ氏は「2つのインド製ワクチン」と繰り返し強調しており、防疫を国威発揚と結びつけている様子がうかがえる。ナショナリズムを刺激して求心力向上を狙うモディ氏得意の手法といえるだろう。

 人口13億を抱える国内全体への安定供給も課題だが、国民の間で、冒頭のように接種を躊躇(ちゅうちょ)する声が広がりを見せる可能性もある。「世界最大の接種計画」は多難といえそうだ。(森浩)

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