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【朝晴れエッセー】後ろ姿に・1月19日

 ランドセルいっぱいにやり終えた宿題をつめ、書初めセットに、お道具箱、持ちきれないのでは、と思うほどの準備をしている娘がいる。

 その姿は喜々として、登校が待ちきれない様子だ。

 ああ、娘よ、忘れたのか。

 今年は毎年楽しみにしている親戚の帰省もなく、恒例の餅つき大会も、楽しい宴もなかった。

 その代わり、家族で小さな大福を連日作りおいしく食べたではないか。夜も明けぬうちに裏山を登り見た初日の出の感動も、一緒に悩んだ宿題の数々も。彼女にとっては、過去に過ぎないようだ。

 例年とは違った年末年始の過ごし方は、私にとっては新しい挑戦に感じられた。制約の中でも充実した毎日を過ごしてみたい。それは難しくもあり、楽しさを新発見できたと思っていた。

 そんな日々を振り返るでもなく、前を向いている娘を見ていると、母親の努力など、大好きな先生や友達がいる学び舎に敗北しようとしている。

 テストがある、反りの合わない友達もいるかもしれない、あたたかくも、ハードな環境に戻ろうとしている娘。かつて、「ママがいい」と言って、登園をしぶった幼稚園時代が懐かしく、感傷的な気持ちにさえなる。

 頼りなくも凜(りん)とした後ろ姿に私は何ができるだろうか。

 精いっぱいのエールを込めて、「いってらっしゃい」と見送ろうと思う。

西ヶ谷えりか 36 静岡市清水区

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