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【朝晴れエッセー】母からのエール・2月1日

 私は毎朝、中学生2人の息子の登校を、マンションの4階から手を振って見送っている。

 長男は歩きながらサッと手を振るあっさりスタイルで、次男は立ち止まって笑顔とともに手をぶんぶんと振ってくれる。手の振り方でその日の気分がわかるバロメーターのようなものだ。

 思えば私も、小さい頃から母にいつも姿が見えなくなるまで手を振って見送られていた。成長するにつれ恥ずかしさもあったが、ある日「何があるかわからないからね、無事に帰っておいでの気持ちで見送っているのよ」と母の気持ちを知ったとき、人目があろうと気にせず何度も振り返って手を振るようになった。

 そんな私も母となり、今度は見送る立場となった。

 ある朝、次男と少し言い合いになってしまった。それでも次男は「いってきます」ときちんと言って玄関を出ていった。彼の気持ちに応えようとモヤモヤした気持ちを抑えて玄関に出た。

 いつものように手を振ってくれるかな、と後ろ姿を追っていると、彼はいつも立ち止まる場所を通り過ぎそうになった。あ、と思った瞬間彼は一歩戻って顔を上げ、さっと手を挙げてくれた。いつもの振り方じゃなかったけれど、私の心の中には、じんわりとあったかいものが広がっていった。

 見送りが時には面倒だなと思うこともある。でも私はこれからもきっと見送り続けるだろう。「頑張っておいで」の気持ちを込めて。

黒田葉子(48) 兵庫県西宮市

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