【スポーツ茶論】親子が同じ舞台に立つ 清水満
さすが“スーパースター”のジュニアである。2日間で争われるエキシビション大会のPNC選手権が19日開幕し、タイガー・ウッズが11歳の息子・チャーリー君とペアで出場したが、目立っていたのは息子だった。
「タイガーが出場している試合でタイガー以上に注目される選手を初めて見たよ」とツアー6勝のパドレイグ・ハリントンの言葉を外電が伝えた。公式インスタグラムで公開された動画を見た。世界中で大反響になっているというのもうなずけた。
初日の3番パー5。5番ウッドで打った残り175ヤードの第2打を、きれいなドローボールで運んでピン1・2メートルに付けてのイーグル。ガッツポーズする姿は、まるで父・タイガーに生き写しだった。
他にもショットをまとめた動画もアップされた。ドライバーだけでなく、アイアンの精度、アプローチなどセンス抜群のスイング、その天才的なプレーぶりに驚かされる。
タイガーは「僕は父にゴルフを強制されたことはない。息子にもそうしない。ここに来た目的は楽しむこと。今日のことは生涯忘れない」。こう外電などが伝えた。最終日はおなじみの赤シャツに黒パンツの“勝負服”でペアルック。そんな親子のシーンに、誰もが将来、チャーリー君のプロの姿を想像するだろう。
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思い出したシーンがある。2014年、マスターズ史上初の親子同時出場を果たしたのがスタドラー親子である。父・クレイグは独特の口ひげで愛称が“セイウチ”。1982年のマスターズ制覇などツアー通算13勝を挙げた。
息子・ケビンは2014年のフェニックスオープンでツアー初優勝、やっとマスターズ切符を手に入れて、同じ夢舞台に立った。その時、父は60歳、息子が34歳…。父は、すでにその年限りのマスターズ引退を表明、息子はぎりぎり間に合った。ケビンは言った。
「そのことは気になっていた。あと5年早かったらよかったんだけどね。でもこうして一緒になれたし…」
父は語った。
「息子は息子…。干渉はしないよ」。それでもコース攻略をアドバイスしたという記事も目にした。