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【一筆多論】「新・日英同盟」の時代 岡部伸

英空母「クイーン・エリザベス」(米海軍提供)
英空母「クイーン・エリザベス」(米海軍提供)

 「来年、QEは英国と同盟国の緊急課題をリードする。過去20年で最も野心的な展開だ」

 ジョンソン英首相が自賛するQEとは、英海軍が新造した最新鋭空母「クイーン・エリザベス」だ。

 英海軍がQEを中核とする空母打撃群を来年初め、沖縄県など南西諸島周辺を含む西太平洋に派遣し、佐世保などに長期駐留させることを決定した。

 ちょうど3年前になる。ロンドン郊外の世界標準時を定めた旧王立天文台があるグリニッジの国立海事博物館で開かれた第3回日英外務・防衛閣僚会合(「2+2」)での出来事だ。ジョンソン氏は当時の河野太郎外相と小野寺五典防衛相、ウィリアムソン英防衛相と東郷平八郎元帥の肖像写真に笑顔で見入り、意気投合した。

 肖像写真は観戦武官として日本海海戦を目撃した英海軍のペケナム駐日海軍武官が保管していたものだ。その約5カ月前の1905年1月、ロシアの要塞、旅順陥落直後に東郷元帥を招いた祝宴で、元帥が出席の返信に同封した写真をペケナム氏が日記に添付し、同博物館が所蔵していた。

 東郷の写真で打ち解けた閣僚会合は、自由で開かれたインド太平洋の実現に向け緊密協力で一致し、QEを視察した小野寺氏は、海自護衛艦「いずも」との共同訓練を提案した。

 その提案が来年早々実現する。1971年「スエズ以東からの撤退」以来の「アジア回帰」する英軍は、国連軍の一員として日本に展開し、朝鮮戦争の国連決議による国連軍地位協定で横須賀、佐世保などで在日米軍から支援を受け、日米英で共同演習する。

 海上自衛隊も後方支援を検討し、アジア太平洋地域のF35の整備拠点である三菱重工業の小牧南工場は、艦載のF35Bステルス戦闘機を整備する計画だ。

 英国がQEを日本に長期派遣する背景には、中国の南シナ海や尖閣諸島での領有権主張、香港やウイグルでの人権弾圧への強い懸念がある。「一国二制度」を踏みにじった香港への強権姿勢は「レッドラインを越えた」(最後の香港総督、クリス・パッテン卿)と中国を潜在的敵国とみなし、封じ込める決意を示す。

 それは「同盟国」とみなす日本が主唱する「自由で開かれたインド太平洋構想」とリンクする。

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