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【日曜に書く】論説委員・山上直子 旧暦で「お正月」のススメ

初詣客で賑わう京都・伏見稲荷大社
初詣客で賑わう京都・伏見稲荷大社

 無病息災に家内安全、疫病退散-。神仏に託す人々の願いは今も昔も変わらない。きたる新年こそ「コロナ退散」を祈りたいが、初詣も“密だ”というのだから、今やウイルスと人類の知恵比べの様相だ。

 神社仏閣でも対策はさまざま。全国のお稲荷さんの総本宮・伏見稲荷大社(京都市)は、おみくじ箱やカウンターなど参拝者が触れる可能性がある物や場所に抗ウイルスコーティングを施した。持ち上げて軽いと感じれば願いがかなうとされる「おもかる石」も例外ではない。「十分ではないかもしれないが、できる限りのことを」(同社)という。

季節感のズレ

 初詣については、年内から縁起物の授与を行う社寺もある一方、千葉県の成田山新勝寺ではいち早く「1月ずーっと初詣」を打ち出し、分散参拝を呼び掛けている。

 考えてみれば、日本はもともと旧暦だった。現在の太陽暦(その一種のグレゴリオ暦)に改暦されたのは明治6(1873)年のこと。まだ150年たっていないのである。

 一方の旧暦、太陰太陽暦は日本には6世紀ごろに大陸から入ってきたようだ。ざっと1300年ほど使ってきたのだから、付き合いは長い。それに照らすと来年の元日は2月12日だから、そこまでを広く“お正月”ととらえてみてはどうだろう。

 実のところ、その旧暦こそがわれわれが親しむ季節の行事や風習を生み出してきた。そのため現代生活ではちょっとしたズレが生じていることもある。例えば、ひな祭りや端午の節句など五節句の季節感だ。

 3月3日のひな祭りに欠かせない桃の花が咲くのは、だいたい4月上旬である。9月9日は重陽の節句だが、菊の花も咲くにはちょっと早い気がする。7月7日の七夕にいたっては本州は梅雨のさなかで、天の川も見えない年が多い。

改暦で人件費節約?

 ところが、京都の冷泉家では、七夕に和歌の上達を願う乞巧奠(きっこうてん)という年中行事が連綿と受け継がれているが、今も旧暦で行われている。東北三大祭りの一つに数えられる仙台七夕まつりしかり、旧暦で行われる七夕行事は全国に少なくないのだ。

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