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【風を読む】赤穂義士がくれた不思議な縁 論説副委員長・佐々木類

赤穂義士の墓所には、NHK大河ドラマ「峠の群像」のヒット祈願で俳優・緒形拳さん(右)と俳優・松平健さんも参拝にきていた=1981年(昭和56年)10月5日、東京・泉岳寺
赤穂義士の墓所には、NHK大河ドラマ「峠の群像」のヒット祈願で俳優・緒形拳さん(右)と俳優・松平健さんも参拝にきていた=1981年(昭和56年)10月5日、東京・泉岳寺

 ♪時は元禄15年、12月の14日、打ち立つ時刻は丑三(うしみっ)つ。雪の明かりがみかた松明(たいまつ)、鎖帷子(くさりかたびら)身を固め~。神田伯山(はくざん)ら今をときめく講談師による名調子で知られる忠臣蔵の一節だ。

 14日、東京・高輪にある泉岳寺を訪ねた。四十七士を供養するためだ。墓所に来るといつも気が引き締まる。出会いと別れ。歌舞伎や講談で語り継がれてきた赤穂義士伝とはまた違ったリアルな歴史がそこにあるからだ。

 墓所にいたハルボン・アーシエさん(44)に声をかけた。日本在住10年になるフランス人だ。馴染(なじ)みの仏紙で14日が討ち入りの日だと知り、お参りをしようと思い立ったという。

 アーシエさんは「フランスにも騎士道があり、かねて武士道に関心があった。中でも義に生きた赤穂義士を尊敬していた。物凄(すご)く強いエネルギーを感じる」と話す。

 墓所の管理を任されている細田正治(まさはる)さん(71)は、参拝者について「見学ではなく、供養する真摯(しんし)な気持ちを忘れないでほしい」と話す。同じ管理者の池村浩志(ひろゆき)さん(68)も「静かな環境でお参りしてほしい」と語る。

 小泉純一郎元首相が郵政政局で衆院を解散する前、周囲に「赤穂義士は死んだから日本人の心に残ったんだ。自分も郵政民営化に命を懸ける」と語ったことは今でもよく覚えている。

 実は赤穂義士をめぐり不思議な出会いがあった。今年1月、泉岳寺をお参りした2日後、ワシントン勤務時代に知己を得た大石さんという方が私に所用で会いに来て杯を重ねる機会があった。そんなことなど露知らぬ大石さんの笑顔から、大石内蔵助(くらのすけ)が何かを託しに来たのだと勝手に想像した。

 翌月、今度は赤穂義士に討たれた吉良上野介(こうずけのすけ)の旧邸宅(東京・両国)を訪ねた。すると数日後、衆院議員の吉良州司氏と福岡市内のとある会合で二十数年ぶりに再会した。あまりの偶然に驚きつつ、何かのメッセージを吉良上野介から受け取ったような気がした。吉良上野介とは「足利家由来で遠い祖先でつながっているかも」(吉良氏)という。ドキッとしたのは、吉良氏が「以前から12月14日は自分の身に良くないことが起こるから気を付けている」と話してくれたことだ。不思議なご縁に思いをめぐらせた一日だった。

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