PR

ニュース コラム

【直球&曲球】中江有里 我慢のしどころが難しいコロナ禍

 今年は出張が大幅に減った。以前は月に2、3度はあったがコロナ禍で移動が制限され、全くない月もあった。

 都内での会議はリモート中心。たまに直接集合がかかると会議室、テレビ番組はアクリル板で一人ずつ席を仕切られ、声が聞こえるようにマイクが用意されている。建物に入る前はアルコール消毒と検温必須。仕事のやり方はすっかり様変わりした。

 イギリスで新型コロナウイルスのワクチンが承認され、ワクチン接種が8日始まった。日本への供給はもう少し先で、2021年の前半からの接種を目指しているらしい。

 安全性に不安はあるが、たとえワクチンがあったとしても新型コロナウイルスがなくなるわけではない。今後もウイルスとの共生は変わらない。今のようにワクチンも薬もない状態よりははるかにましだとは思うけれど。

 私が暮らす東京は、春に外出を控えた時期のストレスを解消するかのようにマスクをつけた人で賑(にぎ)やかだ。もともと人口が多いから感染者が増えるのも仕方がない。気になるのは、たまに行く飲食店が少し前に比べるとソーシャルディスタンスを取らなくなったこと。こちらが黙って食べていても、近い距離でおしゃべりする人がいると気になるので、足を運ぶ機会が減っている。

 経済を回すことと感染防止は両立が理想だが、前者は積極的に外に出ることになるし、後者は家に留(とど)まるのが効果的、行動がまるで逆だ。

 感染防止の形式を実践しているところ、徐々にもとに戻ってしまっている場所、結局は人の行動や考えの問題に行きつく。人の考えはそれぞれ。コロナを脅威に思う人もいれば、ただの風邪と断ずる人もいる。

 私は早く仕事をしたいし、人と気がねなく会いたい。急ぎすぎると再開時期はさらに遅くなるのだろう。我慢のしどころは難しい。自粛やお願いではわかりにくいからと言って具体的な行動制限をすれば人権侵害にも繋(つな)がる。行動は一人一人に託される。私は自分と他人を守るための行動を選ぼうと思う。

【プロフィル】中江有里(なかえ・ゆり)

 女優・脚本家・作家。昭和48年、大阪府出身。平成元年、芸能界デビュー、多くのテレビドラマ、映画に出演。14年、「納豆ウドン」で「BKラジオドラマ脚本懸賞」最高賞を受賞し、脚本家デビュー。フジテレビ「とくダネ!」に出演中。文化審議会委員。

あなたへのおすすめ

PR

PR

PR

PR

ランキング

ブランドコンテンツ