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ニュース コラム

【赤の広場で】タクシーで知る国際事情

 師走に入り、他社のモスクワ特派員と会うと、必ず「今年は忙しかったね」という話題になる。1月にプーチン露大統領が憲法改正を突然提案したのに始まり、春からの新型コロナウイルスの流行、改憲作業、夏のベラルーシ混乱、秋のナゴルノカラバフ紛争、キルギス政変など、担当する旧ソ連圏では世界の耳目を引く話題が多かった。

 しかし新型コロナによる国境封鎖や隔離措置などのため、現地出張ができなかったのが残念だった。そんなとき、各国民の生の反応を得られる貴重な場所となったのがタクシー。モスクワのタクシー運転手は旧ソ連圏からの出稼ぎが多い。

 ナゴルノカラバフ紛争の停戦直後に出会ったアゼルバイジャン人運転手は「ロシアが仲介しなければアルメニアに完全勝利できていたのに」と悔しそうだった。アルメニア人運転手は「敗北は悲しい」とつぶやいた。キルギス人運転手は「キルギスでは政変はいつものこと。大した問題じゃない」と達観していた。

 彼らからは「ロシア人は旧ソ連圏の国民を見下している」との不満も聞く。同時に「面倒を起こさない日本や日本人は好きだよ」とも。ロシア人も好きな記者には複雑だが彼らには彼らの歴史がある。多民族が同居する社会の実情を知ることができるのもロシアに住む魅力だ。(小野田雄一)

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