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【風を読む】大学人は何をやっているのか 論説委員長・乾正人

 日本学術会議の総会後、取材に応じる梶田隆章会長(左端)=10月2日、東京都内
 日本学術会議の総会後、取材に応じる梶田隆章会長(左端)=10月2日、東京都内

 日本学術会議の委員任命拒否をめぐる問題は、臨時国会でも取り上げられ、「学問の自由の侵害だ」と共産党や立憲民主党が声高に菅義偉首相を攻め立てた。首相も「本当の理由」を言うわけにいかず、答弁もふらふらして明快とはいかなかった。

 ところが、世間は笛吹けども踊らず。各種世論調査では、首相の判断を「是」とする回答が「否」を大きく上回った。いろいろと理由はあろうが、エリート学者の寄り合いである学術会議が、10億円の国費を投入されているのもかかわらず、目立った役割を果たしていないことに、国民が愛想を尽かしているからではないか。

 役割を果たすどころか、学術会議は、科学技術の発展や日本人の安全を脅かす声明を幾度も出してきた。

 3年前に出した「軍事的安全保障研究に関する声明」が典型だ。

 声明がいわんとするところは、「戦争を目的とする科学の研究は絶対にこれを行わない」とする占領下の昭和25年に出された声明の踏襲を大義名分に、防衛省が支援する装備開発のための研究に大学人は手を貸すな、という脅しに尽きる。極めて政治色の強い声明だが、共産党色の濃い「民主主義科学者協会法律部会」の理事を務めた人物が、文案づくりを主導した事実が明らかになっている。

 日本の安全保障に役立つことは、戦争協力に結びつくからまかりならぬとは、時代錯誤もはなはだしいが、多くの大学人は後難を恐れて沈黙し、文系理系を問わず軍事研究をタブー視する風潮はいまだに強い。

 一方で、日本の大学は中国への軍事技術協力はいとわないらしい。

 中国人民解放軍と関係があり、軍事技術研究を行っている中国の大学と学術・学生交流協定を結んでいる日本の大学が45校にも上っていることが分かった。しかも京大など約7割の大学は協定を見直そうともしていない。

 大学人はいったいどこを見て、何をやっているのか。

 「学問の自由」を云々(うんぬん)する前に、もっと国民を、国際情勢を見よ。その上で「学問はどうあるべきか」をじっくりと考えよ。上から目線の物言いで恐縮だが、学術会議が発表した声明の書きぶりをまねてみた。あしからず。

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