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【大阪特派員】山上直子 京の記憶刻む学校ホテル

 新型コロナウイルスの感染拡大が収まらず慎重な行動が求められた連休が明けた。そんななか、京都の名刹(めいさつ)・清水寺のお膝元に最近、オープンエアで人気のバーがある。「K36 ROOFTOP(ルーフトップ)」。この春オープンした「ザ・ホテル青龍 京都清水」の屋上だ。

 風情ある八坂の塔が間近に見え、京都の街並みを一望できる景観が魅力。実はここ、旧清水小学校の校舎が保存・活用されて生まれ変わったホテルなのだ。

 ちょっと変わったレストランに入ると、ライブラリー(図書館)という名前がついていた。

 「ここは講堂でした。天井が高いでしょう?」

 総支配人の広瀬康則さんの言葉で見上げると、頭上にはゆったりとした大空間が広がり天井は碁盤の目のようなモダンなデザイン。特徴的な梁(はり)もそのまま生かされている。

 館内を歩くと、レトロな階段や手すりはほぼ昔のままに見えるし(実際は丁寧に修復されている)、外にはかつて学校にあった赤い郵便ポストがそのままオブジェのように置かれていたりもする。卒業生でなくても、なんだか懐かしいと思わせるやさしい雰囲気が漂っていた。

 「先人からお借りしたものですからね。『記憶を刻み、未来へつなぐ』がコンセプト。歴史を伝えていく使命がわたしたちにはあると思っているんです」と、広瀬さんは言葉に力を込める。

 そう。京都人にとって自分のまちの小学校は特別なものだ。京都の小学校の歴史をひもとくと、古く明治維新のころまでさかのぼる。日本で初めて学区制の小学校が誕生したのは明治2年の京都だったことはご存じだろうか。

 事実上の東京遷都で“都”の衰退を危ぶんだ町衆が、まず教育からと資金を出しあい、64校が次々と開校した。自治組織の番組ごとにつくられたので「番組小学校」と呼ばれ、国の学制公布(同5年)より3年も早かった。

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