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【主張】女川原発の同意 グリーン社会への弾みに

 東北電力女川原子力発電所2号機(沸騰水型・出力82.5万キロワット)の再稼働が確実になった。

 同機は今年2月、原子力規制委員会によって新規制基準への適合性が認められている。それに加えて立地自治体の女川町、石巻市と宮城県の各首長による3者会談で11日、懸案の地元同意が表明されたためである。

 女川原発では防潮堤建設などの安全対策工事が続いており、運転再開は2年以上先になりそうだが、東日本大震災の津波で被災した原発の再稼働が視野に入ったのは初めてのことである。

 地元同意には、原発による地域経済の活性化を求める地元の声が後押しした部分が大きく、その点が特筆に値しよう。

 菅義偉首相は2050年の温室効果ガス排出実質ゼロ(カーボンニュートラル)を宣言しているが、原発の再稼働は9基止まりで足踏み状態だ。

 脱炭素と電力の大量安定供給を両立させ得る原発の再稼働が続かなければ、50年の目標どころか「パリ協定」で世界に公約している30年度時点での26%削減の達成さえもおぼつかない。

 それには全17基が停止したままの沸騰水型原発の再稼働促進が必要だ。沸騰水型原発は、大事故を起こした福島第1原発と同タイプということもあって安全審査が遅れがちだった。その意味でも女川2号機の再稼働に確かな展望を開いた地元同意の意義は大きい。

 沸騰水型の安全審査では、日本原子力発電・東海第2原発(茨城県)と東京電力・柏崎刈羽原発6、7号機(新潟県)の方が進捗(しんちょく)していたのだが、地元同意の壁が再稼働の前に立ちはだかっている状態だ。

 今回の女川2号機への地元の温かい反応が、これら3基の原発の膠着(こうちゃく)状態打開への触媒となることを期待したい。日本の東半分に多い沸騰水型の再稼働は「西高東低」になっている原子力発電のアンバランスの是正にも働く。

 世界の潮流はコロナ禍で冷え込んだ経済の回復と地球温暖化防止の両立を目指すグリーン社会への移行である。原子力発電はその実現に欠かせない。

 女川原発は9年前の大震災で震源に最も近い原発だったが、激烈な揺れにも巨大津波にも負けなかった。その事実をいま一度、思い起こしたい。

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