PR

ニュース コラム

【スポーツ茶論】底辺からつくり上げる 北川信行

橋本男女共同参画相(右)と面会するサッカー女子プロリーグ「WEリーグ」の岡島喜久子チェア=10月16日、内閣府
橋本男女共同参画相(右)と面会するサッカー女子プロリーグ「WEリーグ」の岡島喜久子チェア=10月16日、内閣府

 ピラミッド型の組織を思い浮かべてみる。頂点を高くするには、どうするか。手段は2つある。てっぺんを引っ張り上げるのと、もう一つは底辺の厚みを増して全体をかさ上げする方法である。前者はてっとり早い半面、形が崩れてバランスが悪くなる可能性がある。後者は安定性は維持できるが、時間がかかる。

 日本サッカー協会の肝煎りで設立される日本初の女子プロリーグ「WEリーグ」は、典型的な前者の例に思える。2011年の女子ワールドカップ(W杯)で日本代表「なでしこジャパン」が初優勝してから9年。巻き起こった女子サッカーブームはとっくに終息し、欧州で女子リーグのプロ化が進む中、近年は「なでしこジャパン」も簡単には勝てなくなっている。ならば、再び列強に伍(ご)するため、同じようにプロリーグを発足させてトップレベルの強化を図ろうという発想である。

□   □

 「WEリーグ」は来年秋に開幕予定で、10月15日に初年度に参入する11チームが発表された。現在の「プレナスなでしこリーグ」の強豪、日テレ・東京ヴェルディベレーザやINAC神戸レオネッサなどが予想通り名を連ねたが、不安要素もある。

 一つは、観客動員。1試合平均5千人を目標に掲げるが、なでしこリーグの19年の平均は1340人。ブームに沸いた11年でも2796人だったことを考えると、達成には、かなりの起爆剤が必要だ。集客が低迷すると、チーム運営に支障が出る。それは選手の年俸に影響し、名ばかりのプロとなりかねない。

 もう一つは、アマチュア中心として残ることになる、なでしこリーグとの関係。WEリーグの方は当面は降格なしのエキスパンション(拡大)型を取る方針だが、主要チームが抜ける分、一時的にせよ、なでしこリーグの弱体化は免れない。それが、まだまだ日本の女子サッカー選手の多数を占めるアマチュアのレベル低下につながらないか。

 「WE」と「なでしこ」が共倒れすれば、元も子もない。プロ化を推進した日本サッカー協会は危機感を持って両方を見守る責任がある。

続きを読む

あなたへのおすすめ

PR

PR

PR

PR

ランキング

ブランドコンテンツ