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【一筆多論】露は国連の悪用をやめよ 遠藤良介

ロシアのラブロフ外相=モスクワ(ロシア外務省提供、タス=共同)
ロシアのラブロフ外相=モスクワ(ロシア外務省提供、タス=共同)

 ロシアに2008~12年、メドベージェフという大統領がいたことは、多くのロシア人もあまり覚えていない。10年11月、北方領土の国後島にロシアの国家元首として初めて不法上陸した迷惑な人物である。

 最高実力者のプーチン氏は08年、当時の露憲法が大統領の連続3選を禁じていたため首相に退いた。

 メドベージェフ氏は大統領を1期だけ務めて退任し、プーチン氏に大統領職を譲った。

 メドベージェフ氏が当初から1期で辞める「つなぎ役」だった可能性は高い。他方、国連安全保障理事会の1本の決議がプーチン氏の逆鱗(げきりん)に触れ、メドベージェフ氏は不本意に退任させられたとの説もある。

 安保理は11年3月、米英仏の対リビア軍事介入に道を開く決議を採択し、結果としてロシアと友好関係にあったカダフィ・リビア政権が崩壊した。当時のメドベージェフ政権が決議案に拒否権を行使せず、棄権したことをプーチン氏は重大な失策だと考えていた。

 その国連は10月下旬、創設から75年を迎えた。近年は、安保理常任理事国として拒否権を持つ中露と米国などが対立し、機能不全が甚だしい。だが、ロシアにとっては、その状態こそが望ましいのだといえる。

 プーチン政権は、米国主導の世界秩序を弱体化させ、自らの「勢力圏」を拡大するために拒否権を使い倒すべきツールだと考えている。第二次大戦の戦勝国として得られた常任理事国の地位は、ロシアが「大国」を自任する上で数少ないよりどころでもある。

 安保理では15~19年に拒否権が16回発動されたが、うち9回はロシア単独、5回は中露両国によるものだった。ロシアはクリミア半島を併合し、中国は南シナ海の軍事拠点化を進めて国際法を踏みにじっている。この両国が、平和維持に責任を負う安保理で大きな権限を持っているのだから理不尽きわまりない。

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