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ニュース コラム

【朝晴れエッセー】採点ペン・11月4日

 手もとに使い古した1本の採点ペンがある。塾を始めたときに買ったものだから、もう25年も前のものだ。

 このペンを使って、生徒たちの答案に〇をつけ、×をつけ、正しい答えを書き込んで、受験願書や志願理由書、小論文、作文を添削し、時には「がんばったね」「やればできる」「絶対合格!」などと生徒たちへの励ましの言葉を書き込んできた。

 インクとペン先は交換式になっていて、インク1本は1週間ほどでカラになる。入試直前期は1日でなくなってしまうこともある。

 ペン先はついつい力が入り過ぎてしまうためか、筆圧で押しつぶされ、裂けてしまったりもする。インクもペン先も、その都度、新しいものに交換して使い続けてきた。

 ペンそれ自体が壊れてしまったら、買い替えなければならないが、25年使っても壊れない丈夫なペンで相棒のようなものだ。

 つい最近、私が主宰している塾に通ってくれた生徒が千人をこえた。ということは、このペンも千人の人生と向き合ってきたことになる。ある人は小学生の頃に。別の人は中学生、高校生の頃に。

 寒さを感じ始める季節になり、塾はいよいよ受験指導のピークを迎える。今年は新型コロナの影響で3カ月も休校させられたために、いつもの年より忙しくなりそうだ。採点ペンの出番も多くなるだろう。

 このペンに負けてはいられない。私も力を振りしぼって今日も教壇に立とう。

 黒澤賢一 53 福島県いわき市

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