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【一筆多論】技術流出阻止へ法整備急げ 佐々木類

大手化学メーカー「積水化学工業」の本社=14日午前、大阪市北区(沢野貴信撮影)
大手化学メーカー「積水化学工業」の本社=14日午前、大阪市北区(沢野貴信撮影)

 現代の世相を反映する出来事が東京本社発行の14日付産経新聞に載った。

 日中両国を股にかけた秘密情報漏洩(ろうえい)事件だ。国内外の多くのニュースに埋もれがちだが、この事件が投げかけた意味は大きい。

 大阪市内の大手化学メーカー「積水化学工業」の元社員=懲戒解雇=が在職当時、営業秘密に当たる技術情報を中国企業に漏洩した疑いがあるとして、大阪府警が13日、不正競争防止法違反(営業秘密侵害)容疑で書類送検した。

 元社員は「中国企業から積水化学が持っていない技術情報と交換すると持ちかけられた」「社内での研究者としての地位が高まると思った」という趣旨の供述をしているという。

 高い自己評価と、会社の自分に対する評価にギャップがあったのか。社内での待遇に不満を感じていた元社員の心理につけ込み、先端技術の窃取を狙った中国企業のしたたかな戦略に引っかかったのだろう。

 元社員は、スマートフォンのタッチパネルなどに使われる電子材料「導電性微粒子」の製造工程に関する資料を中国企業に電子メールで送信していた。

 漏洩先の企業は広東省に本社を置く通信機器メーカー「潮州三環集団」だ。

 注目したいのは、潮州三環集団が、習近平国家主席が12日に現地視察したほどの超有望企業であることだ。その様子は中国国営通信の新華社が13日付電子版で伝えている。

 日本の最先端技術が、民生技術を軍事転用する「軍民融合」を掲げる中国側に流れた先の視察である。

 目を引くのは、府警が元社員を書類送検した13日というタイミングだ。何とも絶妙である。習氏が潮州三環集団を視察した翌日だからだ。計ったような送検から浮かぶのは、秘密情報の漏洩を許さないという日本の捜査当局の強い意思の存在である。

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