PR

ニュース コラム

【論壇時評】11月号 菅政権の対中政策 「アキレス腱」にせず強硬姿勢貫け 論説委員・岡部伸

オンラインで開かれた国連の生物多様性サミットにビデオ演説で参加する中国の習近平国家主席=9月30日(国連提供・共同)
オンラインで開かれた国連の生物多様性サミットにビデオ演説で参加する中国の習近平国家主席=9月30日(国連提供・共同)

 7年8カ月にわたった安倍晋三政権が幕を下ろし、菅義偉政権が発足した。月刊各誌は新政権の特集を組んだが、菅外交をどうみているか注目したい。

 軍事大国化して世界秩序改変を狙う中国に対し、米国は強硬路線を取り、対立は激化している。日米同盟を基軸とする日本は、どのような外交のかじ取りをすべきか。菅政権を誕生させた二階俊博幹事長は、中国との協調を主張し、対中政策が「アキレス腱(けん)」と指摘する識者もいる。米大統領選も控え、外交に目が離せない。

 菅首相から内閣官房参与に任命された外交政策研究所代表の宮家邦彦は『Voice』で、安倍外交が政権2期目に開花した理由に触れ、「二十一世紀に入り始まった日本を取り巻く国際戦略環境の大規模かつ急激な変化」を挙げ、「日本にとっては『歴史的な好機』」と説く。

 宮家が指摘するのは、戦後世界の次のような変化だ。先の大戦の敗戦により、日本は国際的影響力を喪失し、名誉が傷付いた。ソ連が崩壊したが、ロシアの民主化は頓挫した。高度経済成長した中国に日米欧が期待した市民社会は出現せず、巨額の富は軍事力増強と国内治安維持に投入された-。

 米国が、中東で「対テロ戦争」に没頭し、東アジアに「力の真空」が生まれた。宮家は、「日本は『自由』『民主』『法の支配』『人権』『人道』などの普遍的価値の体現者であり続けるとともに、国際社会の『現状維持勢力』の一員として、普遍的価値を拒否する『現状変更勢力』との差別化を図り、失われた名誉を回復するチャンスだ」と主張する。

 さらに2014年ごろから中国が南シナ海で人工島建設を強行したことで、米国の対中認識が変化し、脅威論が増大した。このため、「安倍外交の対中姿勢と米国の対中政策が、ようやく戦略的レベルで噛(か)み合い始めた」。そして「安倍政権は躊躇(ちゅうちょ)なく対米同盟関係のさらなる深化を目指した」と指摘する。

続きを読む

関連トピックス

あなたへのおすすめ

PR

PR

PR

PR

ランキング

ブランドコンテンツ