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【朝晴れエッセー】白い彼岸花・10月18日

 今年もまた、家の庭に白い彼岸花が咲いた。

 この彼岸花は、2011年10月に乳がんで亡くなった義姉さんの家の庭先にあったのを、球根を分けてもらい私の家の庭に植えたものだ。

 その義姉さんが、乳がんを発症したのは亡くなる8年くらい前だった。手術後治療を続け、「もう大丈夫ではないか」と思っていたが、兄さんから「また再発した」との連絡を受けて知り、落胆した。

 兄さんは義姉さんと結婚後、ほとんど単身赴任だった。兄さんが年に何回くらい帰っていたのか、どのような家庭生活を送っていたのかよく知らないが、子供3人を養育していた義姉さんも大変であったろう。

 兄さんは、義姉さんの乳がんが再発してから、自宅通勤をするようになった。

 当時かなりの役職に就いていたが、2ランクほど地位を下げ義姉さんと一緒に暮らせるようにしてもらったらしい。義姉さんに対する兄さんの深い愛情を見たように思った。

 義姉さんが亡くなった時期は、真っ赤な彼岸花が咲き乱れる時期で、それに交じってひっそりと咲く白い彼岸花を見つけ、背が高く慎ましやかだった義姉さんと重なり球根を持ち帰ったのだ。

 私の庭に咲いた白い彼岸花を写真に撮り、「義姉さんの花が咲いたよ」とメールを送ると、兄さんやその娘から「今年も咲いたね、ありがとう」と返事が来る。

 そして今年は、2歳の孫娘と手をつなぎ墓参りに向かう兄さんの微笑(ほほえ)ましい写真も添えられてきた。

 中山民子 59 主婦 三重県名張市

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