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【ソウルからヨボセヨ】日朝韓3国合作の橋

 ソウルで日本風居酒屋の老舗である南営洞(ナミョンドン)の「つくし」は庶民的な雰囲気で人気がある。建物が日本統治時代のひなびた小さな日本民家で、2階があり床の間も残っている。階段をトントンと上がって2階へというのはいかにも日本的だ。建物は築80年になるというからもう文化財である。

 そこの女主人の故郷である山間部の江原道(カンウォンド)・華川(ファチョン)には華川ダムがあって大きな湖水になっている。釣りが趣味の筆者は以前から「ぜひ行ってみてください」といわれていたので先ごろ一念発起して出かけた。釣果の方はさっぱりだったが、地元にいる彼女の家族が案内してくれたため実に興味深い歴史紀行になった。

 まずダムは日本時代にできたもので発電所は今も稼働しており地元の自慢になっていた。ただこのあたりは元は北朝鮮領で朝鮮戦争の際は激戦地になり、ダム破壊のために米軍機は空から魚雷を投下したという。世界の戦史で湖に空中から魚雷を発射した例はこれしかないとか。

 それにダムの下流にかかった「九万橋」という橋の歴史が面白かった。土台は日本統治時代にでき、その後、北朝鮮時代に橋脚が、韓国領になってから橋桁ができて完成したので「3国合作の橋」だという。橋のたもとにそう表示されていたがほとんど知られていない。惜しい。(黒田勝弘)

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