PR

ニュース コラム

【一筆多論】鋭くコロナに切り込む本 河崎真澄

 米ジョンズ・ホプキンズ大の集計によると、新型コロナウイルス感染症による死者が5日、世界全体で103万人を超えた。3月11日に世界保健機関(WHO)のテドロス事務局長が、「パンデミック(世界的な大流行)」を認めて7カ月近く。感染者は世界で3500万人を超え、収束の兆しはなお見えない。

 そうした状況下で、新型コロナ問題に鋭く切り込んだ書籍が相次ぎ発行されている。中国を感染源とするウイルスが、かくも広がったのはなぜか。防疫体制にぬかりはなかったのか。

 門田隆将著『疫病2020』(産経新聞出版)は日本政府の対応が後手に回った問題を、「どの人に聞いても、最後は必ず『(中国の国家主席である)習近平国賓来日』の問題にぶつかった」と指摘している。当初は、今年4月上旬の日程で訪日を調整してきた。

 一方、1月20日には中国の専門家がヒトからヒトへの感染を認め、29日から武漢など湖北省に滞在していた邦人救出のチャーター機を飛ばすなど感染状況は深刻化した。それでも日本政府は3月初旬まで、一部制限を付けながら中国人の入国を認め、これが日本で感染拡大の一因になった。

 日本が中国全土から事実上の入国拒否の措置をとったのは、ようやく3月5日になってから。「習近平国賓来日」の延期を安倍晋三首相(当時)が発表したその日だった。「国民の命や安全より習近平来日が優先されたのか」との批判が起きたのも当然だ。習訪日を実現させたい政治勢力が中国人の入国拒否を遅らせた問題を、筆者は「安倍政権の限界」と書いた。

 他方で、日本よりも中国に近い台湾は、1カ月も早く2月6日に中国全土からの入境を拒否している。しかも台湾の保健当局は昨年暮れ、WHOに対し、「新型コロナはヒトからヒトへの感染の恐れがある」と詳細な情報を提供した。WHOはこの情報を当初、無視したとされるが、台湾の情報収集力と対応は際立っていた。

 その背景を「防疫ヒーローは『その道のプロ』ばかり」と書いたのが、藤重太著『国会議員に読ませたい台湾のコロナ戦』(産経新聞出版)だ。前副総統の陳建仁氏は、ジョンズ・ホプキンズ大で公衆衛生の博士号を得た「プロ」で、2003年に中国が感染源のSARS(重症急性呼吸器症候群)蔓延(まんえん)の際に、陣頭指揮に立った経験がある。

続きを読む

あなたへのおすすめ

PR

PR

PR

PR

ランキング

ブランドコンテンツ