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【朝晴れエッセー】似て非なる話・10月4日

 私の両親、夫の両親は、ともに健在で田舎暮らしだ。久しぶりに会った義母が真剣な顔でいう。

 「この間、お父さん(義父のこと)が夜中にトイレから全然出てこないの。私、心配になって眠れなくなっちゃったのよ」

 聞けば義父母は同室で寝ているため、義父がトイレから戻ってこないと、義母がすぐに気づく。様子を見に行き、ノックをする。

 「ちゃんとノックをし返してくれたから、ほっとしたけど」。すると義父は「いやあ、この年になるとなかなか出ませんでな」と照れ笑い。その場にいた皆で爆笑した。

 変わって私の両親の場合。父は定年後、近所の畑に精を出したり、民生委員を引き受けたりして、なかなか家にじっとしていない。そんな父が帰ってきたと思ったら、珍しく神妙な顔で母にいった。

 「おい、寝るときは、夫婦一緒に寝たほうがいいらしいぞ」

 「なんで?」と母。

 近所で似通った年頃の男同士が集まって、こんな話題になったという。

 「もしもなにかあったら、お互いにすぐ気づいて救急車を呼べるから」だそうだ。

 私の母は「そーんなの、都合のいい妄想! だいたいお互いって何よ。あなたのいびきが止まったら私は気づくけど、私の息が止まったって、あなたは気づかないでしょ。いびきがうるさくて寝られないから別々の部屋にしてるの。睡眠不足で私の寿命が縮むほうが問題!」と手厳しい。父は苦笑い。

 同室にしろ別室にしろ、笑い話にできている今はいい。

 私はどうする? 老後に思いをはせた。

佐竹加織(44) 大阪市住之江区

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