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【直球&曲球】ステイホームで思い出すリアルの良さ 中江有里

 もともと出無精なところがあるが、仕事で出かける以外はその傾向が高まった。

 知り合いの編集者は言う。

 「いつも(家族のために)出かけるのがプレッシャーだったので、今は楽です」

 同じく出無精な人にとっては堂々とステイホームできるようになった絶好の機会になった。

 9月の4連休は法事のために帰省したのだが、駅も街も大変な賑(にぎ)わいだった。ステイホームもさすがに飽きたのかもしれない。

 仕事は対面で行うことも増えたが、大人数で長時間にわたる場合はリモートが多い。PC(パソコン)の前で、画面に並ぶ出席者と顔を合わせるのが普通になった。これまで決められた場所に一堂に集まっていたものが、仕事場に居ながら実現してしまう。神経は疲れるが、離れた場所にいてもPCとネット環境がそろえば参加可能になったのは大変助かる。これからオンライン会議はひとつの標準になっていくのだろうと思う。

 プライベートではステイホームの娯楽にオンラインライブが加わった。対面ライブが難しい今、無観客、もしくは若干名の客のみの前で、さまざまなアーティストが登場する。演劇、歌、お笑いなどジャンルも多数。私自身も3月から延期になっていた対談が配信という形で実現したばかり。これからも配信対談を予定している。

 何もできなかった頃と比べれば、形が変わってもパフォーマンスができるのはうれしい。客としても、気になるライブはチケット争奪戦に巻きこまれずに家で楽しめるし、地方にお住まいの方は都心に出てくる必要もない。どれもこれまでになかった快適さだ。

 でもリアル(対面)の良さも忘れがたい。その日のために時間をつくり、足を運び、同じ空間で一度きりのパフォーマンスを体感するのは、そこに居るものだけのものだ。四方八方から視線を受けながらパフォーマンスを見せる側にしても同じだと思う。

 今できうる形でライブパフォーマンスを続けていきながら、いつかは対面のライブも前のようにできる日が来てほしい。

【プロフィル】中江有里

 なかえ・ゆり 女優・脚本家・作家。昭和48年、大阪府出身。平成元年、芸能界デビュー、多くのテレビドラマ、映画に出演。14年、「納豆ウドン」で「BKラジオドラマ脚本懸賞」最高賞を受賞し、脚本家デビュー。フジテレビ「とくダネ!」に出演中。文化審議会委員。

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