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【ソウルからヨボセヨ】帰省自粛は誰のため

韓国・ソウル駅で、列車に乗り込む帰省客ら。30日から中秋節「秋夕(チュソク)」の連休に入る=29日(AP)
韓国・ソウル駅で、列車に乗り込む帰省客ら。30日から中秋節「秋夕(チュソク)」の連休に入る=29日(AP)

 韓国では30日から中秋節「秋夕(チュソク)」の連休に入る。今年は10月4日までの5連休。帰郷客で毎年、列車や飛行機は満席になり高速道路は渋滞するのだが、今年は新型コロナウイルス感染防止のため、丁世均(チョン・セギュン)首相が国民向けの談話で帰省自粛を呼びかけた。世論調査によると1泊以上の帰省を計画している者は16%で、例年の半分以下という。

 そんな中、帰省自粛勧告をひそかに歓迎している人々もいる。本来なら夫の実家に同行するはずの女性たちだ。韓国では秋夕前に憂鬱になる女性が多いと毎年耳にする。夫の実家への秋夕用の料理の持ち寄り。先祖へのお供え。しゅうとめの小言。親戚付き合いが特に精神的な重圧という。

 だが、今年は韓国政府が直々に帰省自粛を求めている。夫の実家に行くはずだった知人の韓国人女性は、皆どことなく表情が明るい。「うれしそうですね」と尋ねると大概、「いえ、別に」と含みを持たせた笑顔で反応する。

 「義父母を感染させるようなことがあってはいけませんから」というのが模範的な回答。「何よりも政府が『みなさん、自粛してください』とお願いしているのですから」とも聞く。韓国政府の帰省自粛勧告は、一方で、帰省忌避の格好の口実になっている。コロナ禍が思わぬ副産物をもたらしたようだ。(名村隆寛)

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