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【主張】中国の同化政策 習主席の開き直り許すな

 中国の習近平国家主席が25、26の両日、新疆ウイグル自治区に関する座談会に出席し、「中華民族共同体意識の教育を新疆の幹部、青少年に導入する」と強調した。

 ウイグル族など少数民族への中国の人権侵害に対し、批判の国際世論が高まりをみせる中での露骨な開き直りである。

 習主席はまた、ウイグル自治区の経済の発展と国民生活の改善が大きな成果を上げたと主張し、教育によって各民族に正確な国家観、歴史観、宗教観を導き「心の奥底に中華民族の共同体意識を植え付ける」とも述べた。いわば同化政策の強化宣言である。

 中国当局はウイグル族100万人を要注意人物と決めつけ、職業訓練センターと称する強制収容所に送ったとされる。中国の同化政策は各民族の言葉や宗教、風習を圧殺するもので、到底許されるものではない。

 オーストラリア戦略政策研究所が今月発表した報告書は380カ所以上の強制収容所の位置を特定した。この約1年間で61カ所が新設・増設され、現在も14カ所が建設中という。習主席の同化政策強化発言を裏付けるものだ。

 米国は6月、ウイグル族弾圧に関与した中国当局者らに制裁を科す「ウイグル人権法」を成立させた。フランスのマクロン大統領は22日、国連総会での一般討論演説で新疆ウイグル自治区の人権状況をめぐり「国連の保護を受けた国際調査団が現地を訪れられるよう求める」と訴えた。

 翻って日本ではどうか。加藤勝信官房長官は28日の記者会見でウイグル自治区での人権問題に関し「懸念を持って注視している」と述べた。従来の政府答弁から一歩も出るものではない。

 菅義偉首相も国連総会での一般討論演説でウイグル問題には触れず、習氏との電話会談でも言及しなかったようだ。

 政府はこの問題に腰が引けているのではないか。日本が共有すべき価値観は、自由と民主主義、法の支配、そして人権である。人権ひとつを例にとってみても、中国はこのグループに属しない。

 習主席の国賓来日は、新型コロナウイルス禍を理由に延期となったままだ。

 政府は今こそ明確に人権問題の改善を中国に突き付け、これが果たされない限り、国賓来日の白紙撤回に踏み切るべきである。

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