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【日曜に書く】わが子が虹の橋渡るまで 論説委員・森田景史

コロナ禍が、ストレスの「消化不能」をもたらしている=21日、東京都中央区(佐藤徳昭撮影)
コロナ禍が、ストレスの「消化不能」をもたらしている=21日、東京都中央区(佐藤徳昭撮影)

 人間は、ストレスを自己完結させるのが不得手な生き物だ。繊細な人ほど内向きのトゲに傷つきやすく、たいていは胃や腸を病んでいる。

 ストレスと縁の薄い人は、トゲを外側に向ける作業に手慣れている。声の大きい人ほど長生きするのは、どの世界でもよく耳にする話である。

ストレスの向かう先

 人間性の善悪を言っているわけではない。新型コロナウイルス禍の世界的な広がりでわれわれが目にしたのは、ストレスという形のない異物に対して人間の消化器官がいかに無力か、という現実だった。

 消化不良というより「消化不能」がコロナ禍のもたらす症状だとしたら、何も言わず腹に収めるということが、いまほど難しい時代もない。

 「巣ごもり」や「お家時間」が暮らしの多くを占めるようになった近頃は、物を言わぬ小さな動物たちとの触れ合いに、ストレスのはけ口を求める動きも広がっている。

 国民に一律で配られた10万円の給付金を元手に、犬や猫などを飼い始めた人が多いと聞く。気持ちは分からなくもないが、飼育放棄や飼育崩壊の不幸なニュースも昨今は多い。「かわいい」だけでは片付かない現実が待っていることを、これから飼い主になる人たちには理解してほしいと思う。

 わが家には、ペットショップで出会ったオスのヨークシャーテリアが2匹いる。12歳の長男と11歳の次男、人間ならいい年である。

 生活をともにしていると、多くのことに気づかされる。

人間の都合だけでは

 犬は人間以上に、感情の量が豊かで、「寂しさ」への感度がとりわけ鋭い。長男が来た9カ月後に次男を迎えたのは、犬同士の触れ合いでしか埋められない空白があるからだ。

 ドッグフード一つをとっても合う、合わないがあり、栄養不足や体調の良し悪しはすぐ毛並みに現れる。病気もする。けがもする。悲しいことに、駆け足で年を取っていく。長男はここ数年で、腫瘍の摘出と頸椎(けいつい)ヘルニアの治療で高額の手術を2度受けた。いつまでも小さい頃の「かわいい」ままでいるわけではない。

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