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【新聞に喝!】「ファイブアイズ」の本質は何か インド太平洋問題研究所理事長・簑原俊洋

ロンドンの英議会で「ファイブアイズ」への日本の参加について発言したジョンソン首相=16日、(ロイター)
ロンドンの英議会で「ファイブアイズ」への日本の参加について発言したジョンソン首相=16日、(ロイター)

 菅義偉内閣が誕生した。菅氏が強く求めている携帯電話の料金が下がればもちろんありがたいが、筆者には日本の対外政策の変化の有無の方がはるかに気になるところだ。

 安倍前政権の政策を踏襲し、北朝鮮による日本人拉致や北方領土返還は継続して追求すると菅氏は述べているが、すぐに大きな成果が得られるとは考えにくい。日本の安保アイデンティティーを根本から革新できる憲法9条の改正はどうかといえば、こちらも選挙を意識してか、言葉数は少ない。加えて、今後の日本の対中政策の方向性についても不透明な部分が多い。

 アジア版NATO(北大西洋条約機構)の創設について日本の経験と実力の乏しさから異を唱えるのはまだしも、菅氏が挙げたのは「中国包囲網を形成したくない」という理由だった。実際、菅氏は米中のバランスを取る政策の実施を模索するかもしれない。主要国で今年プラス成長を見込んでいるのは中国のみであり、コロナ禍で打撃を受けた日本経済を早期に復活させる鍵は中国との提携だと算段していても不思議ではない。

 その一方で、米国との連携強化を狙って目下紙面をにぎわしている「ファイブアイズ(米英など5カ国から成る機密情報保全の枠組み)」への参加を目指す可能性もある。日本への正式な招待がない中で、海外を含む多くのメディアは賛否をめぐって活発な議論を展開している。日本の現行の秘密保護法の不完全性や日本自体が極めて機微な情報を提供しなければならないこと、現在の参加国が日本国内に居住する人々をも監視対象とできる等々、重要かつ真っ当な点の指摘は多い。だが本質的な部分を見逃してはいまいか。詰まるところ、ファイブアイズですごみのある情報収集・監視を行っているのはせいぜい米英両国だ。

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