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ニュース コラム

【朝晴れエッセー】サンマと芸術・9月17日

 暑さも少しずつやわらいでくると、がぜん食欲が増してくる。何を食べてもおいしいが、これからの季節はやっぱり旬の食材ということで、サンマにありつきたい。

 今年はサンマが不漁で高騰しているとテレビのニュースで伝えていた。食べる回数を減らせば1匹ン千円になったとてどうってことない。ぜんぜん食べられないよりはまし、というもんだ。

 子供の頃は魚全般のおかずを嫌っていた。どうも骨をよけながらの余分な作業は、食欲を半減させていた。

 身も骨もぐちゃぐちゃにしながら食べていたので、だから魚はおいしいとはちっとも思わなかった。

 しかし、社会人になって会社の同僚と食事をしたとき、その同僚はメニューの一つだったサンマを、見事なさばきぶりで骨だけを残してきれいに食べていた。

 同僚は「魚は芸術的に食べることで、味がいっそううまくなる」と、なんかわけの分からない言葉を並べていた。ならば真似てみようと、「芸術の食」を実証することにした。

 当初はぎこちなかったが、いつしかスキルアップして身と骨を器用に振り分けて食べられるようになってきた。そうすると、確かにふっくらとした脂ののったサンマの身はうまいように思えてくるから不思議。

 最近は、どんな種類の魚でも「骨をきれいにより分けているね」と誰からも尊敬のまなざしで見られるようになった。

 芸術の域に到達しているかは分からないが。

佐々木博史(61) 大阪市淀川区

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