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ニュース コラム

【主張】観客数の上限緩和 感染防止は変わらぬ軸だ

 スポーツ観戦の場に歓声が戻る日はまだ遠い。それでも、これは大きな前進である。

 プロ野球やサッカーJリーグなどの大規模イベントについて、政府は5千人としてきた観客数の上限を撤廃した。

 新型コロナウイルス感染症対策分科会の議論を経て、大型スタジアムでは19日から数万人が観戦できることになった。

 演劇や古典芸能などの文化イベントでも、「定員の50%以内」とされた制限が撤廃される。10月からは政府の観光支援事業「Go To トラベル」の対象に、東京都も追加される方針だ。

 もちろん、厳しい感染防止策は変わらぬ軸である。徹底してリスクを押さえ込む実績を積み重ねた先に、来夏の東京五輪・パラリンピック開催の可能性が見えてくることを忘れてはならない。

 スポーツイベントの会場は、屋根のない数万人規模のスタジアムから、数千人収容の体育館まで大小さまざまだ。感染の恐れが低いにもかかわらず、観客席の1割ほどしか稼働していない大型スタジアムもあった。

 社会の閉塞(へいそく)感を振り払うためにも、感染症対策と経済活動の両立は避けて通れない。プロ野球の斉藤惇コミッショナーが「五輪・パラリンピックへのテストも必要。状況の変化に対応し、来年への取り組みとして見直しを」と要望したのは当然で、競技会場の実情に応じた観客数の弾力的な制限緩和は遅すぎた観もある。

 入場口での検温など、主催者の手間もコストも増えるが、感染防止策を緩めてはならない。社会的距離の確保や動線で観客同士の濃厚接触を生まない工夫、感染者が出た場合に追跡調査ができる体制づくりなど、これまで以上の厳しい対応を求めたい。

 感染が再拡大しつつあるフランスでは、テニスの全仏オープンが観客を入れて9月末に開幕する。現地での取り組みは、日本のコロナ対策に反映できるはずだ。

 わが国でも秋から冬にかけて感染の再拡大が懸念されている。感染状況の変化に応じて、再び観客数の制限措置を取ることもためらってはならない。

 東京都では新規感染者数が3桁で推移しており、油断できない。一人一人が感染予防を徹底した上で行動する。このことを改めて肝に銘じたい。

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