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【千夜一夜】賄賂に浸かった政府の闇 レバノンは変わるか

生存反応が検知されたベイルート市街の建物の倒壊現場。チリの救難隊が活動していた=3日(佐藤貴生撮影)
生存反応が検知されたベイルート市街の建物の倒壊現場。チリの救難隊が活動していた=3日(佐藤貴生撮影)

 大規模爆発が起きたレバノンの首都ベイルートの被災現場を訪れると、店のシャッターや家の外壁に首をつる人の絵がいくつもスプレーで描かれていた。地元の記者(29)は「市民の絶望感を表現している」と教えてくれた。被災地に住む住民の大半は、失業したり店舗が壊れたりして暮らしが危機にさらされている。政府が放置していた危険物が原因とされる爆発から1カ月が過ぎたが、政府の存在感はまったくない。

 被災者は「政府が補償するという話はない」と肩を落とし、路上のがれきを処理するボランティアは「政府がやらないから私たちがやるしかない」と話した。

 被災現場には国内外の非政府組織(NGO)のテントがたくさん並んでいる。そのうち国内のNGOを集約しているグループのテントに立ち寄り、少額の募金を申し出たら、メンバーの女性が「ちょっと待って」とその場で領収書を書いて渡してくれた。「私たちは賄賂に漬かった政府とは違う。お金の流れはきちんとしたいの」と話した。

 政治家と役所が一体となって公金を横領してきた構造は数十年に及ぶといわれ、闇は深い。かつて投資や金融の中心地として繁栄し、「中東のパリ」と呼ばれたベイルート。レバノン再生への道はとてつもなく遠い。(佐藤貴生)

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