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【台湾有情】台湾鉄道の父は誰か

 「台湾鉄道の父は誰か」をめぐり、台湾で論争が始まっている。きっかけは、台湾博物館に7月、開設された鉄道エリアにある展示物の中で、日本統治時代の技師、長谷川謹介が「台湾鉄道の父」と紹介されていたことだった。

 親中メディアの中国時報と一部の学者は「台湾の鉄道の父は清朝の巡撫(じゅんぶ)(地方統治長官)、劉銘伝だ」と指摘した。1899年に台湾に赴任した長谷川より「10年以上も前に鉄道を造った」と主張し、「親日的な台湾独立派が中国を否定するために歴史を歪曲(わいきょく)した」とも批判した。抗議を受けて博物館側は長谷川を「台湾鉄道の父」とする説明文を外した。

 これに対し、歴史問題に詳しい評論家、管仁健氏らはメディアで反論した。劉の時代、確かに台湾では約100キロの鉄道が造られたが、使い物にならなかったのですぐ廃棄された。

 長谷川が一から今の台湾の鉄道網の基礎を築いたのに対し、劉は行政官僚のトップとして「鉄道を造れ」と指示しただけで、鉄道の専門家ではなかった。「技術者として工事の陣頭指揮を執った長谷川こそ台湾鉄道の父にふさわしい」「親中派こそ歴史を客観的にみるべきだ」と管氏らは主張して譲らない。

 政治的な立場を背景に始まったこの歴史論争は長引きそうだ。(矢板明夫)

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