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【主張】自民総裁選の告示 日本の針路を示す論戦を 当たり障りのない話はご免だ

 安倍晋三首相の後継を決める自民党総裁選が告示され、石破茂元幹事長、菅義偉官房長官、岸田文雄政調会長の3人が立候補を届け出た。

 394票の国会議員票と141票の地方票(都道府県連各3票)の計535票が14日に投開票され新しい総裁が決まる。事実上、首相を選ぶ選挙である。

 国会議員の支持動向などから菅氏優勢が伝えられる。そうであったとしても、首相の座を目指す候補らが本格的な政策論争を行い、日本の針路について語り合うならば、意義は大きい。

 ≪「世界が関心」踏まえよ≫

 新型コロナウイルス禍のため党主催の全国遊説は見送られる。3候補はネットや公開討論会、テレビ出演、個別の遊説などを通じて発信に努める必要がある。

 7年8カ月余続いた安倍第2次政権の次を担うのは誰か。安倍首相が国際社会の中で重んじられたリーダーだっただけに、今回の総裁選は日本のみならず世界からも関心を集めている。

 3候補が当たり障りのない話に終始しては時間の無駄だ。世界で高まった日本の存在感を損なってもいけない。

 なぜ自分が政権を担うべきなのか。時局に対する問題意識と政策をしっかりと説く候補が現れれば内外で評価が高まり、党の活力も増すだろう。

 アベノミクスをはじめとする「安倍政治」を見直すのか。継承するなら、それをどのように広げていくかが問われている。

 菅氏は、安倍政治の「継承と前進」を掲げている。官房長官として支えてきたのだから当然といえるが、具体的にどの政策分野で一層の前進を図るかを明快に語るべきだ。与党の政策責任者として政権を支えてきた岸田氏は「分断から協調へ」を掲げるが、どこが分断を招き、どのように改めるのか詳しく説かねばなるまい。

 石破氏は「納得と共感。」をスローガンにした。「モリ・カケ」問題などへの安倍政権の姿勢に批判的だが、政府・自民党がさらにどのような対応をとるべきかを具体的に説いたらどうか。政策転換が必要な点があれば、代わるべき政策の提示が求められる。

 新政権が取り組むべき政策課題は多い。新型コロナ感染症の問題はその最たるものだ。

 総じて安定した国政運営をしてきた安倍政権だったが、コロナ問題では批判が集まった。

 医療や検査態勢の充実は3候補に共通するが、石破氏は新型インフルエンザ等対策特別措置法の早期改正を唱えている。

 8月28日に安倍政権は、今冬の新型コロナとインフルエンザの同時流行に備えた対策などを打ち出した。さらなる対応についても徹底した論議を求めたい。新型コロナ問題の行方は、厳しい状況にある経済の復調や来年の東京五輪・パラリンピック開催にも大きく影響する。

 ≪新型コロナをどうする≫

 平成29年の衆院選で自民党が訴えた北朝鮮の核・ミサイル問題と少子高齢化という国難は、いまだに突破できていない。

 菅氏は国の基本として「自助・共助・公助」を掲げた。特に喫緊の課題である社会保障改革でどこに力点を置くのか。

 外交安全保障では、日米同盟の強化と対中政策、拉致問題が重要となる。

 中国は香港や新疆ウイグル自治区で弾圧を続け、台湾に圧力をかけている。南シナ海では人工島の軍事化を進め、日本から尖閣諸島を奪おうとしている。米国などは全体主義の中国の覇権志向を抑えようと動き出している。東西冷戦終結以来、およそ30年ぶりの国際情勢の大転換が始まっている。

 日本は、防衛力の充実と日米同盟の強化を進め、対中融和政策から転換すべきだが、3候補とも外交安全保障をめぐるグランドデザインを示していない。

 石破氏は防衛通とされる。菅氏は官房長官として「外交の重要な案件に常に関与してきた」と語った。岸田氏は外相を長く務めた。日本の目指す国際秩序についてもっと語らなくてはだめだ。

 憲法改正は自民党の党是である。3候補に聞きたいのは憲法改正の実現に向けた取り組みだ。国民投票法改正案は6国会にわたり継続審議となっている。10月にも召集される臨時国会で成立させる決意を示してほしい。

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