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【記者発】コロナ後の関空、中国依存脱却を 大阪社会部・牛島要平

関西国際空港のターミナルビル=6月25日午後(須谷友郁撮影)
関西国際空港のターミナルビル=6月25日午後(須谷友郁撮影)

 コツ、コツ…。照明が消えたフロアに足音だけが響く。深夜のオフィスビルの怪談ではない。関西国際空港の真昼の日常だ。新型コロナウイルスの感染拡大で、令和元年に過去最高の約2493万人を記録した関空の国際線旅客数は、今年7月には前年同月比99・6%減となった。

 8月上旬、そんな苦境に陥った関空に一筋の希望の光が差した。上海吉祥航空が関空-南京線、格安航空会社(LCC)の春秋航空が関空-常州線で、それぞれ週1便(往復)の運航を再開した。いずれも中国の航空会社だ。

 上海吉祥航空の担当者は「日中間の経済が動かないと厳しいですから」と再開の理由を説明した。新型コロナで帰国した日本企業の中国駐在員が中国に戻る需要がある一方、日本在留資格を持つ外国人の再入国が8月5日から認められ、日本に戻る中国人の予約も多いという。

 関空は平成30年度まで7年連続で総旅客数を伸ばしたが、その推進力は中国人観光客だった。昨年に関空から入国した外国人のうち中国人は39・4%を占めた。成田空港の21・9%と比べると、中国人がいかに「お得意さま」だったかが分かる。

 だが、今後果たして中国人客がどこまで戻ってくるかは不透明だ。「コロナ後」の世界は「コロナ前」から様変わりする可能性が高い。

 中国の勢力拡張や香港での言論弾圧を背景に、米国のポンペオ国務長官は7月23日の演説で「自由世界が共産主義体制の中国を変えなければ、共産中国が私たちを変えてしまう」と警告した。米国が対中政策を転換すれば、日米同盟を安全保障の基軸とする日本も対応を迫られる。

 関空を運営する関西エアポートの山谷佳之社長は6月の記者会見で「将来必ず航空需要が戻ってくると信じている」と話した。2025年大阪・関西万博に向けて進めているターミナル改修など空港能力の増強を、関西財界も支援する姿勢を示す。

 空港の競争力向上へ投資を継続する判断は正しいが、「コロナ後」を見据えた路線の多様化が不可欠だ。中国依存からの脱却を目指し、伸びしろのある台湾、東南アジアのほか欧米豪などにも関西の魅力をPRする積極的な取り組みを期待したい。

【プロフィル】牛島要平

 平成12年入社。大阪経済部、神戸総局などを経て、27年5月から経済部でゲーム業界や財界などを担当。昨年5月から社会部関西空港支局長。

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